子供のとき読んだ、地元青森の出版社が出した地元の怪談を集めた本に載ってた怖いと言うか気持ち悪い話。
青森のある大学(まあ弘前大学だろうな)にある学生がいた。
優秀だが、暗い性格で人には避けられていた。
彼はプラナリアの研究をしていて、大学のみならず自分のアパートでもプラナリアを飼育していた。
彼には悪癖があった。
いやなことがあると、飼っているプラナリアを切り刻んで鬱憤を晴らすというものだ。
プラナリアは切断されれば、それぞれが再生し新しい個体になる。
彼はプラナリアが増えすぎたら近くのどぶ川に捨てていた。
ある日彼は密かに憧れていた女子学生に告白した。
結果は失敗だった。
彼はやけ酒を散々にあおった後帰宅した。
そしていつもに増して長く時間をかけプラナリアを刻み続けた。
しこたま酔っていた彼は、そのまま寝てしまった。
翌朝彼は異様な感覚で目を覚ました。
手を見ると、何かがおかしい。
よく見ると、手に数匹のプラナリアが這っていたのだ。
彼はもう片方の手で払おうとしたら、その手にも同様にプラナリアが這っていた。
ぎょっとして近くの鏡を見ると、顔をびっしりと埋め尽くしたプラナリア。
彼は酔いすぎて、いつもは行っていた悪癖の後始末、即ち刻んだプラナリアを水槽に戻し蓋をするのを忘れていたのだ。
払っても払っても這い登ってくるプラナリア。
そもそもその払う手にもプラナリアがひっついている。
彼はすぐに下着の中にまでプラナリアが侵入しているのにも気づいた。
彼は思わず叫び声をあげた。
その日の夕方彼に用があった数少ない友人が彼のアパートを訪れこの惨状を目撃し、すぐに警察や救急車を呼んだ。
彼の顔はプラナリアを払おうとして引っ掻き続けたのか血まみれになっていた。
今彼は地元の病院(流れから言って弘大の大学病院だろうな)の鉄格子のついた病室でゴム手袋をつけた手でひたすら顔を引っ掻き続けているという。
まあプラナリアが空気中でそんなに生きるのかとか突っ込みどころはある話だけどね。