茶色い染みが残っていた

カテゴリー「心霊・幽霊」

賃貸マンションで最初に迎えたお盆の夜、生まれて初めて幽霊とやらを目撃した。

着物姿で小学生ぐらいの姉妹と思しき姿、でも全身が青黒い。
よく見ると、顔は半分潰れて着物も汚れて痛んでた。
察するに明治か大正時代ぐらいの姿。

「お茶でも飲むか?」などとマヌケな声を掛けるも反応はなく、部屋の入り口に立ち尽くす2人を尻目に布団を敷いて寝る事にした。

ここまで窓は開けっ放し、月明かりだけで室内が見える物件だったので明かりをつけないでいる事がしばしばあった。

見詰め合ってても仕方がないのでゴロリと1人で大の字になると、2人が畳を摺り足で
近づく音が聞こえた。

めんどくさいなと思って起き上がろうとしたら、そのまま近寄ってきて布団を踏み、俺の胴体まで踏みつけて通り過ぎてそのまま窓から出て行ってしまった。

次の日どうにも気になったので、とりあえず地図を眺めると、玄関~部屋の入り口~窓
この直線の両端から100mくらいの距離に神社と墓地があった。
部屋はその中間にあった。

そして戦前からある踏み切りと川では死亡事故が多かったことを知った。

契約を終えて引っ越すとき、入り口の書棚を動かしたら壁のクロスに子供2人分の影が茶色い染みになって残ってた。

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