暇なんでずっと記憶に残ってる変な話をしたいと思う。
ただ、俺がそういう風習を知らないだけかも知れないので事前に聞いておきたいんだが、一軒家の家の玄関扉のまん前に家には入れないように砂で大きい山を作ってたりとか窓ガラスに札を貼り付けてたりだとかそういう事ってある?
当時は若くお金がありませんでした。
まあ今も無いけど。
当時の住まいからチャリで15分の場所に980円で焼肉食べ放題の店があったんで後ろに同居人乗せてたまに食べにいってた。
普通に広い道路沿いだったし田舎ではなく、道沿いにはゲオだとかコンビニ、各種飲食店などがあり人の気配もそこそこ、何もおかしい事なかった。
ただ、近くに古墳があったからかどうかはしらないが独特の雰囲気はあった。
都会一歩手前といった感じ。
なので少し道を外れれば何があるかわからないという感じだった。
いつも通りすぎる暗くて細い横道を見て、この道の先は何があるんだろうね?とか言いながらいつも通り過ぎてた。
ある夜に好奇心からその道に入っていった。
少し進んだだけなのに気がつけばさっきまでの雰囲気とはうってちがって森の中にいるようになった。
目の前には工事現場に設置されてる三角形の置物(名前わからん、黄色と黒の奴ね)がマンホールを囲んでた。
マンホールの蓋は開いていたが人っ子一人いなかった。
安全のためかライティングされていた、作業が行えるような時間でもないし、締めとけば良いのにと思った。
すぐ近くには家が数軒あった。
10件ぐらいはあったか、暗かったんで綺麗かどうかはわからなかったが、多分綺麗なんだろうなと感じた。
暗かったのはどの家にも明かりはなかったしカーテンも無かった。
綺麗なんだろうなと予想したのは誰も住んでなさそうだったんで全部入居前の新築なんだろうなと思ったから。
その住居群を木々が囲んでいる。
道は最初に入り進んできた横道だけの様で、すぐに外周を回りきった。
そして、全ての家の玄関扉の前には侵入を拒むかの様に砂で山が作られていた。
小さいものもあれば扉の高さまで山が積み上げられてる所もあった。
それに加えて窓にはビッシリとまではいかないけど札が沢山貼られてた。
気がつけば祭りの様な太鼓の音がずっと聞こえてる。
夏ではあったは祭りが催されるような所ではない。
太鼓の音が近づいてきたりだとか、謎な人物が出てきたりだとか元の道に出られなくだったりだとかはなかった。
恐怖を感じ、外に出ようと元の道に戻った。
ただのそれだけなんだけどね。
でも元の大通りに戻れば太鼓の音は無くなってたと思う。
以上怪談にもならないお話でした。