知人の実家に泊まったときに聞いた話です。
彼の実家はとある地方ののどかな田舎町にあり、美味しい湧き水が流れる小高い山にも連れて行ってもらいました。
その山は県が管理しているそうで、車道も完備され、山の上の方には公園もあり町が一望できました。
右側に森が広がっており、木々の間に赤い鳥居が見えたので知人に案内してもらえないか尋ねたのですが、あまり行きたくない場所だと言うのです。
知人によると、それはカッパを祀ってある小さな神社だという事でした。
昔はカッパが村によく現れて、川魚を運んでくれたり村人と遊んだりしていたといわれてるそうです。
しかし裏伝説があり、そのカッパというのは口減らしのために親に殺された子供たちの霊だとも言われているのだそうです。
子供は岩で頭を打ち付けられ殺され、その子供たちの祟りを静めるために神社が建てられたのだと。
知人:「当時、村の土地の大半を所有していたお屋敷に、生まれながらに頭のてっぺんが平らにへこんだ子供が生まれた。頭だけでなく、手足に水かきのようなものがあり、日に日にその姿はカッパに似ていった。母親はそれでも可愛がっていたが父親や兄弟たちは忌み嫌い、その子供の存在を隠すため、座敷牢に閉じ込めて育てた。」
知人:「ある夜母親が子供を座敷牢から出してやると、子供は父、兄弟たちをかみ殺してしまった。その子供は行方知れずになったが、その後村人の子供が同じような殺され方で多数死んでしまい、祟りだと恐れた村人たちは鳥居を作り過去に殺された子供たちの霊を供養した。以後子供が殺される事件は起きなくなった。」
知人はこの話を信じているわけではないと言いましたが、子供の頃、その神社で遊んでいた時に、誰もいないのに髪の毛を引っ張られたり、遠くから子供の泣き声が聞こえてきたり、奇妙な体験をしたそうです。
ある日鬼ごっこをして帰宅し、ドロだらけになったTシャツを脱ぐと小さな手形が背中のところに3つ付いていて、その手形の指の間に水かきのような物があったそうです。
このことがあってから、神社には近づかなくなったという事です。