だんだん近づいてくる男

カテゴリー「心霊・幽霊」

先日体験した実話。

友達と関東の某ホテルのツインに泊まったんだ。
遅くまで話をしてて、4時ごろようやく眠りについたんだが、物凄く疲れているはずなのに、やけに寝苦しく、怖い夢を見た。

そのホテルの中で、全体が青白がかった。
作業着みたいな服を着た中年の男に追い掛け回される夢。
夢の中では、そのホテルのロビーから今寝ている部屋まで、どんどん追いかけられて、なんとか自分の部屋に入ってドアにカギをかけたところで、ハッと目が覚めた。
息が苦しく、全身汗びっしょり。
金縛りではないものの、全身が重い。

そしてまたウトウトと眠りにつくと、再び夢を見た。

今度は俺が今いる部屋の窓から外を見ると、遠くの建物の影から、さっきの青白い男が少しずつ近づいてくる。
窓からチラチラと外を見るたびに、男の姿が現れては消え、俺の部屋をめがけて少しずつ近づいてくる。
そして姿が消えてホッとした瞬間、窓の外に大きな手が「ビタっ」と張り付き、窓枠からあの男の顔が覗いていて、「ぎゃああああ」ってところでまた目が覚める。

立て続けに怖い夢を見て、ぼーぜんとしつつ、ふと窓をみると、確かに寝る前に閉めたハズのカーテンが、10cmぐらい開いていた。

本当に。

悪寒が走り、またも全身汗ダクな自分に気づく。

恐ろしくなって隣のベッドで寝ている友人を起こそうとしたが、寝入っているのかピクリとも動かない。
「気のせいだ」と自分に言い聞かせながら再び眠ると、こんどはさっきの男が既に部屋の中に入り込んでいる夢を見た。

夢の中と今俺がいる部屋と状況は全く一緒で、青白い男が隣で寝てる友人に馬乗りになって首を絞めている。
首を絞めながら友人をベッドから引き摺り下ろしている。

俺はもう夢か現実かワケがわからなくなり、でも「これは夢だ」と夢の中ながらも考え、
ただ身を硬くして男が去るのを待つが、ズルズルと体をひきずって、男が俺に近づいてくるのがわかる。

青白い、冷え冷えとした手が俺の足に触れた瞬間に、また目が覚めた。
隣の友人を確認するが、ちゃんとベッドの上で寝ている。
ホッと安堵しつつ、しかしどうしても窓を見るのが怖い。
見ないように背中を向けつつまた眠りに落ちたんだ。

今度は、またも男が部屋の中にいるところから夢が始まる。
男が俺の両足をつかみ、ベッドから引き摺りおろされる。
そして床のじゅうたんの上をズズ・・・ズズ・・・と引き摺られ、窓側に引っ張っていかれて、夢の中でいくらもがいても、男の力は恐ろしく強く、どんどん引き摺っていかれる。

そして、窓の手前にある壁の鏡の中に左足を引っ張り込まれる。

ちなみに、そのホテルは窓の手前の両壁が鏡になっていて、いわゆる合わせ鏡状態になっている。

その合わせ鏡の中にもう一人青白い中年の男がいて、そいつに右足をつかまれたところで目が覚めた。

あまりにリアルだったので、もう本当に眠るのが怖くなってきて、そのまま朝までベッドの中で震えていました。

朝になって友人が目を覚まし、この話をしたが、夜中に起きたり、カーテンを開けたりはしていないとのこと。
チェックアウト前に、俺の左足首に、昨日まではなかった赤いアザが出来ているのに気づき、本当に怖くなった。

あまりに気持ち悪かったので、すぐに神社でお払いをしてもらいました。

俺、霊感なんてないし、こんな体験生まれて初めてだったので思わず書いてしまった。

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