あまり怖くは無いかもしれないけど。
10数年前、まだ親と同居している時の話。
家の妹とお袋は霊感があるらしく、良く見るとのたまっていた。
家はマンションで犬を飼っているんだけど、ある日の夜隣りの部屋から犬の鳴き声ってよりも威嚇しているような鳴き声がした。
うるさいなー思い部屋を開けると窓の外を妹がぼーっと眺めていた。
そして同じ方向に向かって犬が「うぅ~うぅ~」と唸っている。
俺が、「静かにしろ!」と言うと犬と妹がこっちを向き、きょとんとした顔で振向いた。
すると妹が「今、そこに着物を着た人が立っていて何か言ってた」と言ってきた。
真夜中にそんな事を言われ「きしょくわりーな」ってな具合で言っているとお袋がその話を聞いていたと言うよりも始めっから知っているらしく「早く寝なさい」と言ってきた。
次の日、お袋が「今週末、田舎に行くよ。空けといて」と言ってきた。
俺が、「何しに良くの?」と聞くとお袋は、「昨日、おばーちゃんが来たからそろそろ寂しがっているから墓参りに行く」と。
俺は、『昨日ってあの夜の事だよな・・・』と思いその旨聞いてみると「今じゃ、兄弟ばらばらでお墓を守ってくれる人や逢いに来てくれる人がいないから時々、寂しがって来てたんだけど、いつもは私の枕元だけど娘にも来る様になったんじゃ余程寂しかっただね」と。
勿論、その週末田舎に行き墓参りを済ませた。
それから今でも、たまに電話が来て「墓参り行くよ」と言われると「来たのか」と思う。
良く考えて見ると、小さい頃、お盆でなくても良く行っていた記憶がある。