祖父が結婚した時の話。
祖父は次男で結婚が決まって家を建てる事になった。(昔私が住んでいた田舎では長男が家を継いで両親と同居、次男には親が家を用意して別居と言うのが普通だった)
で、祖父の両親は祖父の為に使っていない土地を整地して家を建てたらしい。
お嫁さんに来た人は田舎の仕事に耐えられるような丈夫な人だったけど、その家に入って一月もした頃、寝込んでしまった。
医者もどこが悪いのかわからず、祖父は困った。
そして、占いをしてくれる近所のお寺に行った。
お寺の人は「一日庭に立っていろ」と言ったそうだ。
祖父は言われるまま次の日一日庭に立っていたが、夕暮れ、祖父の前に胴の太さが10センチあろうかと言うような蛇が現れた。
祖父はその蛇を見た途端に、その地が蛇のものであった事を悟ったらしい。
そして新婚の妻が寝込んだのもその地に勝手に入り込んだからだと思ったらしい。
祖父は蛇に土下座して蛇に謝ったそうだ。
祖父が頭を上げると真っ直ぐ祖父を見ていた蛇と目があって祖父はかなり怖かったそうだけど、蛇はゆっくりと向こうに去っていったとか。
で、翌日寝込んでいた妻はすっかり元気になって起き上がって動けるようになった。
その数年後、近くの土地にやはり新しい家が建ち、そこの奥さんがやはり寝込んでしまったらしい。
祖父は自分の身に起きた事をそこの旦那さんに話したが、迷信、偶然と取り合ってくれなかったらしい。
結局その奥さんは亡くなってしまったとか。