小さい頃、病気で一時は命も危なかった時、部屋の四隅に黒い人影が一体ずつ見えた。
そもそも病気でも何でも無い折からいろんな黒い影はそこらじゅうに居た。
電柱や塀などの陰からこちらを覗くように見ていて、こちらが影を見るとサッと隠れる様な感じだった。
上述の病気の時の黒い人影とは若干受ける感触が違いましたが。
病室関係でもう一つ、淀川長治さんの話。
淀川さんのお母さんが余命いくばくも無い時、淀川さんはつきっきりで一緒にいてあげてたの。
夜寝る時もスーツにネクタイ、ちゃんとした格好で。
ある晩、お母さんが寝入ってる真夜中、病室の四隅に異形の者がいるのに気が付いた。
それが、カラス天狗みたいな奴らなの。
山伏みたいな服装で片膝立ててうつむいてる。
そのうちの1人が顔を上げて、「迎えに参りました」と。
淀川さん、怖くて仕方なかったけど無我夢中で「お願い。あと6ヶ月待って!」と返した。
「...承知した」
それからきっかり6ヶ月後にお母さん亡くなったの。