吊り橋にいた2人の女

カテゴリー「心霊・幽霊」

3月の連休の時の話。

学生時代の友人が遊びに来るというので、駅まで迎えに行ったの。
R135を走ってて、友人が吊り橋の表示を見つけ、「ちょっと寄ってみたい」と言い出したんです。

日も暮れ掛けてたし、あまり気が乗らなかったんだけど、そいつから8万ほど金を借りてたんで断り切れずに行ってみたんです。

駐車場に車を停めると直ぐに友人は飛び出して海を眺めてた。
かれこれ、20分ぐらい眺めてたかな。
そして、何を考えたか知らんけど、「吊り橋に行ってみたい」と言い出したんだ。

俺は、「暗いから足元も危険なので、もう帰るっぺよ。吊り橋までは段差があるから危険っぺよ。明日の昼間に来るっぺよ」と言った。
友人は「吊り橋を見に来たのに行かないと意味ないじゃん」と言い、俺の話無視して歩き出したんだ。

俺は懐中電灯を取りに車に戻って、それから後を追いかけると、吊り橋の真ん中の所で友人が誰かと話してたんだ。
暗くてよく分からんかったけど、笑え声から女性だと思い近くまで寄って見ると、学生風の子が2人居たんだ。

友人はバカな奴なんで能天気に話してたけど、俺はこんな時間に女2人で居るのもおかしいな・・・って直感がしたんだ。
しかも駐車場に俺以外の車は停めてなかったし。

友人が「おまえも話しに加われよ。自己紹介くらいしろよ」って言うんで近くに寄ると、生臭い異臭がした。
電灯で顔を照らすと失礼だから足元に向けると、その女の子達は素足だったんだ。

俺の怪訝な態度を察知したのか、ひとりの子が「あたしたちは大丈夫よふふふふ・・・」って意味深な表情で笑い出した。

俺は友人の手を引っ張って、「とりあえず、話すなら駐車場で話そう」と促して、橋を渡り終えたところで振り向くと、女の子達は橋の手摺りの上に乗っかって笑いながら遊び出したんです。

行った事ある人ならわかるけど、あの吊り橋の手摺りって人が乗れるスペースなんてありません。
友人もようやく事態を把握したらしく、二人で一目散に駐車場まで走った。

車に乗り込み走り出そうとした時、運転席側と助手席側の窓を覗き込むようにあの子達が「行っちゃうんだ・・ふふふふ・・・」って語り掛けたんです。

もう外は既に真っ暗なのにその子達の顔はくっきりと分かったんです。

何がなんだか分からないまま急発進をさせ車を走らせました。
あれから数週間経ちますが、変わった事はありません。

ですが、俺はもうあの吊り橋には行きたくないです。。

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