10年ほど前の話。
俺が浪人時代のとき某K○井塾に行ってた奴から聞いた。
ある日、そいつ(A)は集中して自習でもしようと早めにK○井塾に行った。
上ぼりのエレベーターに乗ろうとボタンを押して待っていた。
やっと降りてきて扉が開いたんだが、その中の光景にAは唖然とした。
エレベーター内に机と椅子を置いて、個室状態で自習してる奴がそこにいたそうだ。
真面目そうな青白い顔のそいつは、そこが正しい自習室かのように一心不乱に単語帳をめくってたらしい。
呆然としてる間に扉はしまってしまい、また上に上がっていってしまった。
・・・えぇぇぇええええ?
今のはなんだったのか。
寝不足で幻想でも見たのか。
とりあえずもう一度ボタンを押してエレベータを呼んで待ってたら、そこにそいつと同じクラスの奴Bが来た。
B:「お、お前も自習か?」
声をかけられてそいつはやっと我に帰って、今見た光景をまくしたてたらBに爆笑された。
B:「朝から面白い話すんなよ腹いてぇ」
チーンと音がしてエレベーターがまた開いた。
笑ってたBが中を見て黙った。
やっぱり乗ってた。
幻じゃなかったらしい。
そして中の奴は相変わらず何事もないかのように自習してたそうだ。
AとBが今度は2人でかたまってる間にまた扉が閉まった。
な、見ただろ?
あれ本物だよな?
Aが言うとBは「あの中の奴に話しかけてみようぜ」と今度はテンション高くエレベーターの
ボタンを押した。
また扉が開いてそこに奴がいた。
B:「あのーここエレベーターなんすけど?乗れないんだけど?」
Bが話しかけた。
そいつは何も聞こえてないようにわき目も振らず単語を覚えてる。
B:「おい!!聞いてんのかよ!!!」
全く反応なし。
なんとなく気味悪くなった二人は腹をたてつつもあきらめて階段で上った。
その後Aが収集した予備校内の噂によると、なんでもそいつは志望校に滑ってノイローゼ気味の
名物だったそうだ。
まともな説得に応じられる状態じゃなかったらしく、なんとなく放置されてたらしい。
放置する予備校側もどうかと思うが・・・。
しかし、ある日を境にそいつはふっつり姿が見えなくなった。
自殺したそうだ。