ばあちゃんの最後の声

今年の1月1日に大好きだったばぁちゃんが逝っちまった。

病院から帰ると急いで門松とか正月関連のものを片付けてじいちゃんは親戚に連絡。
昼間は葬式の準備とか手伝いで忙しく泣く暇すらなかった。

4日くらい経って正月ムードも終わり、ようやく葬儀を行えるようになるのだが、その前の晩、布団に入り泣いていたらいきなり金縛りにあった。

金縛り自体初めてだったのでめちゃくちゃビビっていたら視線の先の壁から
真っ黒な人型のものがスゥっと現れてこちらへ向かってきた。

なんだこれぇ!!

そう思っていたら顔の前に真っ黒な顔が近づいてきた。
ぎょろっとした目が浮かび上がってきてじーっと俺を見ていた。
気がつくといつの間にか寝ていたようで、真っ黒な人型もどこにも見当たらなかった。

後から考えたら『まさかばぁちゃんか?』とは思ったが、起きたら急いで葬式に行かなくてはいけなかったからそんなことはすっかり忘れていた。

葬儀が終わった晩も泣いていたんだけど、そのまま寝ちゃってた。
昨日の見たものが怖かったので布団に潜り反対むきながら寝ていた。
そしたら朝方にばぁちゃん特有のすり足の音がした。
しかし寝ぼけていたのもあってその時は気にしていなかった。

背中の方で何かを喋っているのが聞こえたのだが、あれは・・・ばぁちゃんの声だった。

「うん、うん」と返事をしていると「じゃあな」と言って部屋の引き戸の締まる音がした。

勢いよく起きたが誰もいなかった。

その日は納骨の日。

最後にばぁちゃんが会いに来てくれて嬉しかった。
でもあの真っ黒な人型は一体・・・。

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