家に帰るように言っておきました

カテゴリー「心霊・幽霊」

友人が少し前に、実家に行くから自分のアパートを2日間管理してくれ、と頼んできたので、俺の家より会社の事務所に近いから了承した。
午前4時くらいにアパートに帰ってきて、ジャスコで買った弁当と、自分で作ったオムレツを食べて寝た。

それから変な夢を見た、その夢では男の子が押入れの中から俺を見ている、突然場面が変わって、今度は見えない誰かが、部屋の畳の上を、ギシッ、ギシッ、と歩きながら近づいてくる。
俺の体はなぜか動かない、近づいてきたそいつは寝ている俺の体の上に、ドカッ、と座る。
見えないけど何故か背が高い男だという事が分かる。
そいつは立ち上がると、また畳の上を足音だけ鳴らしながら歩いていく。
何故かそいつは、歩いて、俺の上に座って、立ち去っていくという一連の行動を何度も繰り返す。

4回目にそいつが来たときに俺は、「こりゃあ、舐められたらいかんな」と思い立つと、渾身の力を振り絞って、上半身だけを何とか起き上がらせ、そいつの足を掴むと、思いきり噛み付いた。
噛み付いたのに、手応えはまるで無く、そいつは、フワッ、と空気に溶け込んでいった。

その後は夢ループを見た。
夢ループとは、夢の中で夢を見る現象で、俺が勝手にそう読んでいるのだ。

具体的には、体を起こして、起きた、と思ったら、まだ布団の中で、今度こそ、ともう一度体を起こしたら、また布団の中・・・とこの様なことが何度も繰り返されて、その内にようやく本当に起きる事が出来た。

起きたらもう外は日が完全に昇っていて、俺の体は酷く強張って、鳥肌もたっている。

二日目は、ビールを飲んですぐに寝て、何も無かった。
友人に変な夢の話をしたら、ただの夢だろ、と笑われたし、俺もそう思っていたので、一緒に笑った。

それから数ヶ月が経ってエジプトに海外旅行に行った時、カイロの安ホテルで韓国人の男と仲良くなって、その男は日本に一時期住んでいて、日本語が上手かったので、レセプションで椅子に座りながら一緒に話していたら、男は急に、また来た、と言い出して、俺の隣に眼をやると、何か一人でブツブツと小さい声で言っている。

俺は何かの冗談と思い、笑いながら、どうしたんですか?、と聞いたら、男は、「(俺の名前)さんに男の子の幽霊が憑いてたから、家に帰るように言っておきました」と答えた。

俺はその時夢の体験を思い出して、男に話した。
男は、「(俺の名前)さんは少し霊感みたいのが多分あるから、男の子が面白いと思ったんでしょう」と教えてくれた。

確かに俺は、これ以外にも不思議な体験をしていたし、俺の母親とか弟もその様な体験を話すことがあったので、まあそういうこともあるんだろう、と思いながら、煙草を吸っていた。

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