報われなかったガイドの気持ち

カテゴリー「心霊・幽霊」

マッターホルンの悲劇の真相が後味悪かった。

1865年。
ある登山家が前人未踏の山マッターホルンへの初登頂を果たした。
登山家はガイド含む仲間5人と共に登っていたが、頂上間近になるといてもたってもいられなくなったのか、仲間たちと繋がっている命綱を外し、我先にと登頂した。

その帰りの下山の最中に登山隊のメンバーの内の3人が転落して死亡。
メンバー6人全員の体を繋いでいた命綱は転落の際に真ん中で切れてしまっていた。

下山後、登山家は英雄として一躍有名になる。

しかしここで登山家に対してある疑惑が持ち上がる。

「転落事故の際、登山家が自分の命惜しさに命綱を切って、仲間3人を見殺しにしたのではないか?」

何故なら、登山で命綱として使われるロープはナイフでも使わなければ切れないような強靭なロープだから。

登山家はこの疑惑に猛反論し、出版した本の中でこう述べた。

登山家:「命綱が切れたのは、切れた部分だけ強靭なロープとは別の弱いロープを使っていたから。その弱いロープを使用したのはガイドである。ガイドは、万が一他のメンバーが転落しても自分の命は助かるようにと、わざと弱いロープを使用していた」

ガイドは反論することもなく、最低のガイドの烙印を押され、職を失った

それから150年以上経った現代。
最初に転落して事故の原因を作ったとされるメンバーの子孫がこの事件を調べ、真相に気付いた。

ガイドが命綱に弱いロープを使用したのは決して「わざと」ではなく、「使用せざるをえなかった」からだった。
何故なら、あの初登頂を果たした時、我先に登頂しようとした登山家が、「自分の命綱をナイフで切断していた」から。
真っ二つになった命綱は長さが足りず、ガイドは仕方なく弱いロープを代用として使わざるをえなかった。
そこで悲劇が起きた、というわけである。

つまり登山家の自分勝手な行動が原因で悲劇が起きた。
それなのに登山家はガイドに全ての責任を押し付けた。
ガイドは反論もせず汚名を着た。
その結果、登山家は英雄として名を残し、ガイドは最低のガイドとして名を残してしまったう。

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