昔のことだけど、仕事の関係であるビジネス街のビルの小さなエレベーターに乗ると、自分一人しか載らないのに「ブーッ」と鳴って定員オーバーの知らせ。
あれおかしいなぁ?と思っていったん外に出て乗る。
そしたらまたブーッ!、そういうのを繰り返して、どうかすると今度は鳴らなくて普通に乗れてドアも閉まる。
そういうことが数回あって、階段の方がマシだなと、そう思ったとき、なにげに気になって、ふと、エレベーターの上部を見上げたんだよね。
すると蛍光灯の入った白い擦り板があってその上に何か黒い影が乗ってる。
あれはなんだろう?
そう思ったけど、怖いし面倒に巻き込まれそうでイヤで、手を伸ばして天井のフタを開けて確認しようともとうてい思えない。
もういいやとエレベーターを降りて階段に直行。
それから乗ることもなかったんだけど、上部の黒いあれが人の形にも見えたことを、後でなって思いだした。
それにしても定員オーバーになるほどの重さなのかなとか、いろいろ考えを思い巡らしていたんだけど答えは見つからず。
そんなこんなで運良く自分は仕事関係の変更で、その後、そのビルに行くことはなくなり、あのエレベーターの上部がなんだったのかは分からずじまい。
あとで仕事仲間から話だけ聞いたんだけど、あのエレベーターの点検が来て、エレベーターの上部じゃなく、エレベーターの箱の下の方の底のところに白骨死体が見つかったという話。