娘が中学生になったので、小学校までの教科書とか絵とかを整理してたら、3歳位の時に書いた絵が出てきたので、それの話。
3歳頃、娘は似顔絵を描くのにハマってた。
暇さえあればおとなしく誰かを描いている。
ただ、他の人に聞いてみると珍しいことらしいんだけど、想像じゃなくて、ちゃんとそこに居る人を見ながら描く。
まぁ3歳児の描く絵はジャガイモに目鼻口がついた程度のモノなんで、服の色とか髪の量くらいしか変わらないんだけど、描かれてる最中に動くと「ダメしょーパパ!動いちゃ!」って怒られる。
ある休日に横になってテレビを見てると、後ろに娘が来て絵を描きはじめた。
後ろ姿描くなんて珍しいなと思いつつ、一応動かないように気をつける。
でもトイレに行きたくなって「また怒られるな~」と思いながら立ち上がったが何も言われない。
トイレから戻って来ると、娘は絵を描き上げたらしく、クレヨンを片付け始めていた。
娘に「誰書いてたの?」って聞くと「じぃじ。じょうず?」と絵を見せてくれた。
ウチは妻の方も俺の方も父親は早くに亡くしていて、娘に会ったことはない。
写真くらいは見せたことがあるが、娘の書いた絵は灰色のヒゲを生やした俺の親父らしき姿だった。
妻に話すと「孫を見に来てたのかもね」などと、しんみりしてたが、なんで俺の背後に居たんだよ。
娘に聞いてみたが、そんなことがあったことも忘れてた。
「テレビに映った人を描いてたんじゃないの?」って言う娘の推理が当たってるのかもしれない。
でもそんなに長い間じっとしてるようなテレビ見てた覚えもないけど。