本当は産まれてくることを望んでいた

カテゴリー「心霊・幽霊」

彼女母の務めていた産婦人科での出来事。
彼女が産婦人科の病気持ちで母の働く産婦人科に通ってた。

産婦人科だから勿論中絶もやってる。
そういう病院はお地蔵様とかを裏手に作るらしいんだけど、その病院は委員長がそういう事を一切気にしない人なので供養するものは全くなかった。

そのせいか解らないけれど、インターホンが鳴って出たら子どもの笑い声がしたとか、ご近所から「真夜中病院の中から子どもの騒ぐ声がして五月蝿い」とクレームがきたりした。

産婦人科だけあって子ども連れで来ることが考慮してあるので、子どもがイタズラできないようにインターホンは高い位置にあったし、勿論真夜中に子どもがいるわけがない。

また待合室にはぬいぐるみを置いてたんだけど、朝たまに部屋にぬいぐるみが散らばってたことがあって、誰かが遊んでたのは確からしい。
彼女母は一番初めに病院に来て鍵を開けるので、周りには言わず黙って片付けてたらしい。

ある日、血液検査の結果が出たから学校帰りに病院行きたいという彼女を、学校まで迎えに行って一緒に病院までいったことがある。
身内が務めているということで、いつも診察受付時間が終わってから病院似行って、診察待の人が全員終わってからこっそり診てもらっていた。(学校終わってからだと、どれだけ急いても診察受付時間に間に合わないので特別措置)

先に何人かの妊婦さんがいたんだけど、子どもはいなかった。
なのに彼女が「どこかで赤ちゃんが泣いてるね」と言い出した。
俺には全く聞こえなかった。

順番に妊婦さんが呼ばれ、診察が終わり帰っていく。
残ったのは俺達と、すらっとした女性、この人はお腹が大きくなかったので妊婦さんかは解らなかった。

順番が来てその女性の名前が呼ばれると、「ちょっと!名前は呼ばないでと言ったでしょ!」と物凄い兼幕で怒り出した。

その女性が診察に行くと、彼女が「鳴き声やんだね、あの人からしてたみたい」という。
結構な時間がたって、女性が戻ってきた。
赤ちゃんの鳴き声は無くなっていたそうだ。

彼女の母に聞いたら、やはり聞こえていたそう。
予想通り、中絶するために病院にきていたそうだ。

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