小学校の頃に黒い人がいるという奴がいた。
そいつとは正直あんまり仲良くなかったんだけど、家が近くなので集団登校を一緒にしてた。
ある日、そいつがうちの向いの家を指差して「あの家の玄関のとこに黒い人がうずくまっとる」と言い出した。
自分の家のまん前だし気持ち悪かったので「お前、嘘言うなよ」と詰め寄ったけど、その家から目を離さずに「嘘ちがう。黒い人がうずくまっとる」と言って譲らなかった。
放課後家に帰ると、うちの親がどたばたしてて、どうしたのかと聞いたら、昼過ぎにお向かいのおばーちゃんが亡くなったから、といわれた。
それからしばらくしてそいつがまた、別の家を指差して「あの家の前に黒い人がうずくまっとる」と言ったのを人伝に聞いた(これは放課後)
前の一件で有名になっていたので誰か死ぬんじゃね?と学校でもかなり話題になっていた。
そしたら、その日の深夜にその家のご主人が奥さんの目の前で車に轢かれて亡くなったらしい。
ホンモノじゃん!となったけど、何故かそこからそいつは逆に孤立しだして、イジメには発展しなかったんだが、みんな距離おきだして、しばらくして引っ越していった。