現場にはいわくつきが多い

カテゴリー「心霊・幽霊」

親父から聞いた話。

何十年も前だけど親父は建築の会社をやってて、その時取りかかってた現場が、山手の畑を造成する現場だったんだ。

ダンプにショベルカーで土を載せて従業員に捨てに行かせた後、専務と二人で休憩してたら、ショベルのライトとキーがつけっぱだった事に気づいた。

んで親父がライトを消そうと歩きだしたら、夕焼けの中に青い光がスーッと横切った。

その距離15mくらいでちょうどショベルの向こう側くらいを確かに青い光がウロチョロしてる。

親父が『火の玉だ!!!』って叫んで振り向くと、専務も目と口を大きく開いて固まってた。

一目散にダッシュで引き返す親父、専務とそのまま山道を下って入口まで逃げた。

当然2人ともライトを消しに戻る気力があるはずもなく『バッテリー上がってもしょうがない』などと話してると土を捨てに行った従業員が戻ってきたので何食わぬ顔で『ショベルのライト消してきて』と現場に向かわせた。

しばらくすると従業員が戻ってきたので『なにも無かったか?』と聞くと『別に何も無かったですよ、何かあったんですか?』と火の玉は消えていたようだった。

『何も無かったらいいよ』と軽く流してその日は終了。
後日地元の人に話を聞くとありきたりだけど、もともと古い墓地を移動させた後の土地だったらしい。

そう言う事は先に言ってくれと元請に電話を入れ、あとは従業員に任せて生身の人間には強いが見えないモノに弱い親父は、二度とその現場には行かなかった。

ちなみにその後は事故も火の玉も出ることなく、工事は無事完了しましたとさ。

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