うちの主人は26歳のときに独立して自営業をおっぱじめました。
7~8年前の話です。
ある日の午後、小腹のへった主人はカップラーメンにお湯を入れ、いざ食べようとお箸を持ったその時。
「すいませ~ん」というお客さんの声。
「間が悪いな」と思いながら、お店に出ると高校時代の同級生(仮にA君としておきます)の姿が・・・。
「おぅ!久し振りっ!」と、世間話をいろいろしていたそうです。
Aくんは俺も結婚して子供も産まれてなにかと大変なんだ。などと言ってたそう。
世間話をしながらも、頭の片隅にカップラーメンが気にかかっていた主人。
Aくんに「そういえば、お前なにでここまで来たの?」と聞いたそうです。
「え?自動車だけど?」と言われて、なにかが気になった主人。
でも、なにが気になったのかはその時はわからなかったそうです。
うちは、店舗兼住居状態のすみかで2階が住居部分です。
突然Aくんが「ぢゃ、そろそろ俺帰るわ」と席を立ったそうです。
「帰るわ」という言葉になにかひっかかった主人でしたが、カップラーメンが心配だったため、「そうか。ぢゃ、またな。」と、とっとと二階に戻っていったそうな。
当然、二階には汁を吸って『あぁ~あ。』な状態のカップラーメンが・・・。
あいつ、車で来たって言ってたけどどこに車止めてたんだろ?エンジンの音したっけ??・・・と、思ったんだそうです。
いつきたんだろ?
俺、耳だけはいいんだけどな?
裏の駐車場のことはあいつ知らないはずだし、仮に知っていても今日は雨降り。
あいつ、濡れてなかったよなぁ???
数週間後、偶然また別の同級生にあったそうです。
「おぉ~!久し振りっ!お前、今なにやってんの?」
以下、会話。
同級生:そういえば、Aくんが亡くなった話聞いた?
主人:え?Aってこないだ、うち来たぜ?
同級生:それ、いつだよ?
主人:つい最近だよ。◯日ぐらいだったかなぁ?
同級生:・・・・・
Aくんと仲がよかったその同級生の話では、本当に急に亡くなってしまったようです。
風邪の菌が脳のほうにまわってしまい、ほんの数日のあいだに、意識が戻らないまま。
Aくんが主人の店に姿を見せたと思われるその頃、
Aくんは、病院に意識がないまま入院していたということです。
なんでうちに来たのかわからないけど、あいつ、心残りがたくさんあったんだろうな・・・。と、言ってました。
でも本当に怖いのは、そんな体験をしながらAくんのおうちにお線香さえあげにいかなかった主人なんですが・・・。