お前ら冒頭で殺される役だ!

カテゴリー「心霊・幽霊」

俺は霊に興味はあります。
しかし霊がいるかいないかはまだ分からないという考えです。
そんな自分が体験したお話。

2年前、大学2年の時。
俺の友達の彩香に彼氏ができた。
友達になろうって事でみんなで飲みに行った。
白○屋だったと思う。
メンバーは俺、彩香、その彼の三多摩、あと2人山田と鈴木。

飲み語り合いながら三多摩と打ち解けて行くと、三多摩にはいわゆる霊感があるらしい事が分かった。
俺は初めてそんな人に会ったので、とにかく色んな霊体験を聞きまくった。
三多摩の話によると、霊がまるで普通の人のように見えるそうだ。

「じゃあ何で霊って分かるの?」と質問すると「何となく霊ってわかるんだよな~」と言ってた。
彩香が言うには、一緒に歩いてても彩香には見えない人を見ているらしかった。

当時から懐疑的な俺は脳に腫瘍あって幻覚見てる可能性も考えつつしつこいぐらい色々聞いた。
とにかく俺の印象では三多摩は嘘をつく感じではなかった。
ひとしきり飲んだところで誰からともなくS村に行ってみようという話になった。

アンビリバボでもやってましたね、S村。
俺は当時詳しくは知らず、残酷な事件が起きた伝説の村であることをその時初めて聞いた。
小心の俺は嫌がったが数には勝てず、酒を飲めない彩香の車でGO。

S村は地元の人ではかなり有名らしい。
某山中にあるらしいが実際行った人はほとんどいないそう。

今はもう半分都市伝説。
俺たちも山に入ってうろうろしたが結局途中からほとんど山道ドライブになってた。
みんなも誰もS村の場所知らないし。

しばらくして俺が山道の途中でおしっこしたいと言いちょっと開けたところへ車を止めた。
俺と山田と鈴木が降りて、俺は怖くてヘッドライトの当たるとこでして速攻車内へ戻った。
すると三多摩と彩香の顔がマジだったのでちょっと嫌な予感がした。

なんか怪奇ドラマみたいと思ってどうしたのか三多摩に尋ねた。
すると三多摩は「やべー、すげー数の人出てきてる」と言った。

俺には見えないしまだちょっと半信半疑だったが、すぐにヘッドライトのとこでふざけてる山田と鈴木に戻るように言った。
山田と鈴木はちょっとビビってたがまだ余裕で「うわーこえー!」とかってふざけてた。

俺は早く帰ってこいよと半分切れ気味で、これがホラー映画ならお前ら冒頭で殺される役だ!と思ってたのを覚えている。

そしたら三多摩が「お前ら見えねーのか!こんなに来てるじゃねーか」と叫んだ。
三多摩以外誰にも見えてないんだけどね。

車を速攻切り替えして下山、だがその途中冷房にセットしてあったクーラーから暖房が出続けてた。
いつか冷房に変わると思ってたが、山を下りきる20分程はずっと暖房だった。
しかも帰り道を一本間違えて行き止まりに当たりやがるし。

唯一の救いは三多摩がTVでありがちな「追ってきてる」を言わなかったことぐらい。
その後は死者も怪我人も出ず、彩香と三多摩もまだ続いており霊も見てるみたいです。

俺は日ごろから簡単に霊など信じないと豪語していたが一番ビビってた。
よく考えると三多摩の言葉以外で不思議な現象と言えばクーラーが壊れた事ぐらいなんだが。

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