私の住んでいる所ってのが、また妙に奇妙な場所でして・・・作り話じゃあないか?って思う位に、お膳立てされているんです。
と、言うのも、城跡が徒歩三分圏内にあるわ、自殺者は結構頻繁にでるわ、白骨化遺体は見つかるわで、退屈しないと言いますか・・・なんとも奇妙な場所です。
さて、この話は私が中学生時代のお話です。
昔と言っても、今ほどモンスターペアレンツ、学級崩壊、とか、まだそんなニュースで取り上げられるなんて事は無かった時代で、夜遅くに友達と集まって、将来のことなど夢を語り合っていました。
比較的、私の母校は面白い個性的な先生方が多くて、授業が早くに終わってしまった時、先生がよく楽しい話をしてくれました。
名前は明かせないですが、社会科の先生で、ちょっと早くに授業が終わったもんだから楽しい談笑タイムの始まりですよ。
その先生、こんな話をしてくれました。
前にいた学校に、何時も休みがちな生徒がいたそうです。
ある日、あんまりにも学校にこないから見に行って生徒と話をしたそうです。
「なんで学校に来ないんだい?」
すると、生徒は暫くの沈黙の後、答えたそうです。
「外に出ると影が追ってくるから」
なんか、奇妙な事を言うなぁ・・・と思いながらも、学校に来ないと進学に響くからって、学校に来るように説得したようです。
最初は嫌々ながらも、段々と明るい笑顔を見せるようになり、きちんと登校するようになったもんだから、安心していたそうです。
そして先生はある日、ふと思い出して進路相談の時に、聞いたそうです。
「影が追ってくるって、言ってたけど、本当は学校が嫌だったんだろう?今はどうだい?」
そうすると、生徒はこう答えたそうです。
「今もいるよ」
またまたと思いながらも、笑顔で言ったそうです。
「そんな事ばかり言ってると、本当にそんな事が、起こるかもしれないぞ?一体どこにいるって言うんだ?」
すると、生徒は黙って生徒相談室のドアを指差した。
先生、気付いちゃったそうです。
生徒の目、異様に黒いと。
瞳は黒いに決まってんだろう?と笑い話にするかもしれないが、そうじゃない、禍々しい黒さだったと。
それに気づいた瞬間に、閉まっていた扉が、バタンと音を立てた。
「今、出て行ったよ。」
生徒はこう言ったそうです。
先生は黙ってその子の手を引いて学校の近くにある、知り合いのお寺さんに連れて行って、祓ってもらったそうです。
祓い終わった後、生徒の目をみると、普通の瞳に戻っていたそうです。
この話が終わった後に、先生、私の目を見て笑いながら「そう言えば、お前の目も少し黒いぞ」なんて言ってました。
それを聞いた私は、背筋に寒気を感じました。
だって、私、小学生の頃から影に付きまとわれていたんですから。
今思うと、先生笑いながら言ってたけど・・・目は笑ってなかった。
影はと言うと、私自身、そんなのは気のせいだと思う方なので祓いにも行きませんでした。
ただ、幼少からの出来事が気のせいでなければつい、最近まで付きまとわれていましたね。
死体洗いをやった事がある先生や、色々個性的な先生方が多かった、中学生時代のお話でした。