ある日の夕暮れ時。
マンションのベランダから下を眺めると、電線にたくさんカラスがとまっているのが見えた。
正確な数は分からないが、50匹以上はいたと思う。
通行人が上を見上げてびくびくしながら歩いているのがおかしくて、しばらくその光景を眺めていると、カラス達がおかしな動きをしている事に気がついた。
電線から1羽のカラスが飛び立ち、民家の隙間にある小さな空き地に降り立つ。
しばらくうろうろした後、電線に戻る。
その後、別のカラスが同じ行動を繰り返す。
餌を探しているのか?
それとも、縄張りを誇示するマーキングというものなのだろうか?
いろいろ考えていると、いつの間にか姉が側に来ており、カラス達を見てこうつぶやいた。
「なんだかお葬式をしているみたい」
確かにお焼香の動きに見えなくもないが、ちょっと飛躍しすぎのように思えた。
カラス達は何故あんな行動をしていたのか。
納得のいく結論は見つからなかった。