建築の仕事に就いていたときの話。
台所を改装したいというお宅へ伺って、施主の奥さんと打ち合わせをしていました。
その時のご要望のひとつに、「換気扇を取り払ったあと、そのまま穴が開いたままにしておいてほしい」というのがありました。
妙な注文なので訳を聞くと、そこを開けておくと「気の通りがいいから」だそうで。
なんでもその奥さんは、『気』でご主人がどこで何をしているのかわかるそうで、しばしば「あれ?どこそこへ寄ったんじゃないの?」と言い当てて、ご主人を驚かせているらしい。
といっても一度だけ所在がわからなくなったことがあるらしく、あとでご主人に聞くと、その時間「漆塗りの部屋で麻雀をしていた」とのこと。
一見、普通の奥さんが超能力者?でビックリしました。
あと、漆塗りは気を通さないってのも初耳で印象的でした。