先輩の話。
山を縦走していると、夕立に襲われた。
仕方なく手近の洞窟に逃げ込み、雨宿りすることに。
雨足が弱くなって「そろそろ外に出られるかな」とか考えている矢先、一瞬、視界が真っ白になる。
空一面の黒雲から、一本の真っ直ぐな、白く輝く柱が地に突き刺さっていた。
ドーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
続いて身を震わせるような大きな音。
柱は見る見るうちに細くなり、あっという間に消えて失せる。
柱の立った位置の雲には、ぽっかりと穴が開いていた。
綺麗な真円。
分厚い雲の断面と、その上の蒼い空が覗いている。
じわじわと穴は塞がり始め、やがて見えなくなった。
それと前後して雨も止んだのだという。
先輩:「ああいう雷ってあるものかなぁ?」
先輩はそう首を傾げていた。