花岡事件の悪夢が漂う

カテゴリー「不思議体験」

もう30年以上前の話。
俺は秋田県の県北の市営住宅に住んでたんだ。
そこでの不思議な話はたくさんあるのだが、その中でも不可思議な話を。

小学6年生の頃ずーっと同じ夢を見続けてた事があるんだ。
夢の中の自分は女で、結婚もしてる事は考えるまでもなく分かってる。

鉱山のようなところで鉱石の選別作業をしてるんだ。
旦那も鉱山で働いてる。
そこには同じアジア系(たぶん朝鮮?)の人達も働いてる。

一人の朝鮮人が「ハリが落ちて班長が潰された」って駆け込んでくる。

班長が旦那の事だっていうのも分かってて、急いで駆けつけると、そこに旦那はおらず、数人の外国人に囲まれ石で撲殺される。

その夢のせいで病院に通うほど悩まされた。

でもさ、中学校に入って知ったんだよ。
俺の住んでた地域は昔鉱山があって外国人労働者がいたって。

場所バレるけどさ、花岡事件って聞いたことないかな。
学校で習うと思うんだが。

戦時中には中国人に過酷な労働をさせて数百人単位で外国人が死んでる、あるいは殺されているんだと。

俺の住んでる所がピンポイントでそこなわけ。
獅子ケ森(ししがもり)って町名。
もうその後は番地しかないわけ。

もしかしたらその女性が殺された場所はこの家の場所なのかと思ってさ、親に部屋を変えてくれって頼んだのさ。

本当なら家を変えてくれって頼むんだろうが、バカな中1だし部屋を変えればあの夢は見ないってなぜか思ったんだ。

部屋数はそんなに多くないから親の寝室と交換した。
そしたら朝までぐっすり。
何日たっても見なくなったんだよ。

たださ、今度は母親がさ「やっとあんたの苦しさがわかった」って言い出して、数日で引っ越したよ。

親に聞いても言わないが、たぶん同じ夢を見たんだろうね。

その家では不思議なことが他にもあったけど、考えてみたらその花岡事件に繋がっているんだろうな。

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