仕事の知り合いから聞いた話です。
その人は定年退職してから田舎で喫茶店をやっています。
冬場はスキー客でとても賑わう場所で結構、繁盛してるそうです。
店を開けて今年で4年目になりますが、毎年、冬には変わったお客が来るそうで、それはお客がいなくなり「そろそろ閉めようかな」と思っていると来るそうです。
白いロングコートのようなのを着ていて、詳しい格好はわからない。
声でかろうじて男性とは分かるそうですが、白い肌で中性的な顔をしている。
外は雪があるのに注文はいつも「アイスコーヒー」で、飲み終わるとスグに帰ってしまうそうです。
「でさ、その人は来た夜は吹雪いたり、大雪が降ったりするんだよ。ひょっとすると、雪の神様とかそんな感じじゃないかなって思うんだ」
そう言いながら、彼の顔はなんとなく嬉しそうでした。