小学生の頃だから10年以上前。
親父の仕事の関係で1年だけ新潟のアパートに住んでたことがある。
内装はそれなりだけど、外観は古臭くて汚れが目立つ嫌な感じのアパートだった。
まあ暫く普通に暮らしてたんだが、ひとつ気になることがあった。
隣の部屋のすりガラスってのかな?
キッチンの窓のところに赤黒い”なにか”があって、どうも気色悪い雰囲気だったんで、いつもなるべく素早く自分家に入るようにしてた。
住んで3ヶ月くらいだったか、母親がパートはじめて8時頃まで誰もいない日が増えた。
まあそんな時に友達に隣の部屋のこと話したらガキ大将みたいなやつが「行こうぜ!」と言い出して、元々余所者だし気が弱かった俺は、断れずに友達3人を連れて家に帰った。
案の定、両親ともいないんで帰ってくる前に隣の部屋を探索しようって話になった。
まあ鍵がかかってるだろうと思ってノブを捻ったらドアが開いちゃってさ。
もう俺は帰りたかったけど、ガキ大将達はテンション上がってズカズカ入っていくわけ。
すげぇカビ臭くて新聞が散らばってて、やばい人が住んでるのかと思ってさっさと出ようとしたらガキ大将が悲鳴あげた。
そっち見るとキッチンの窓際に赤黒いものが置いてあった。
よーく見ると赤い着物を着た日本人形らしかったが、カビで顔が真っ黒になってた。
結局、俺はすぐ家に入って3人も萎えたみたいですぐに帰った。
でも後々考えてみて、ガキ大将が日本人形で悲鳴上げるほどビビったのが腑に落ちず
、後日学校で聞いてみたんだが答えてくれなかった。
結局また転校することになって、そいつらとはそれっきり今まで会ってない。
でも引っ越し中に隣のすりガラス見たらあの人形は消えてたんだよね。