俺は小2の頃、いじめられっ子だった。
もともと所属してたグループの、リーダー格っぽい奴(Aとします)と折り合い悪くなって、それから仲間内からハブられるようになって・・・。
仲良かったヤツとかも、俺を避け始めたりして、要するに、無視されるようになった。
それで俺はAが憎くて憎くて、どうにかしたい!って思うようになった。
ところで、当時流行ってた漫画でドラゴンボールってのがあるんだけど、主人公は孫悟空。
必殺技がかめはめ波。
まあ、誰でも知ってるかな?
とにかく、ドラゴンボールの世界では、「修行」したら強くなって、悪を倒すことが出来るんだ。
そんで、俺も修行したら強くなって、かめはめ波でAをぶっ倒せるって考えに取り憑かれて、学校から帰ったら毎日かめはめ波の修行をするようになった。
一週間位続けたかな・・・。
ある日、自宅でかめはめ波の構えを取ってると、何だか手の平に確かな‘熱’のようなものを感じた。
俺はその奇妙な感覚に、「かめはめ波が撃てるなら今しかない!」と直感し詠唱に入った。
俺:「か~め~は~め~・・・」
これ以上無いくらい歯を食いしばり、変な汗もダラダラ出てる。
俺は一瞬、ここで撃つと家が壊れるかも・・・と頭をよぎったが、もう止める事は出来ない。
俺:「・・・波ーーッッッッ!!!」
・・・・・・不発だった。
なんという事か・・・。
俺は心底ガッカリしたけど、まあ確かに手応えはあったので、このまま「修行」を続けて行こうと決意を新たにしたんだ。
そして次の日。
学校で意外な事があった。
なんとAが交通事故に遭って、入院したという。
俺は直感的に昨日のかめはめ波のせいだ!と理解した。
まあAは確か骨折位の軽傷で済んで、死にはしなかったんだけど。
今思えばね、かめはめ波って言うより俺の「Aを殺したい」っていう一念が「呪い」となって、かめはめ波の形を取り発動されたんじゃないかと・・・。
そう信じてます。