それは『もじな』の罠だった

まだ車の数も少なく、道もほとんど整備されていない戦前。
足腰の悪い両親の代理で、親戚の結婚披露宴にに出席する為に小学生低学年だった叔母は、足の届かない大きな自転車を押して親戚の家に行ったそうです。

道中、山をひとつ越えるのですが、当時は舗装もなく、半分けもの道のような感じだったそうです。

披露宴も無事終わり、自転車の荷台に引き出物のごちそうを満載しての帰路。
山道を倒木が塞いでいました。。

行きの時はこんなもの無かったはず、と思いながらも、早く帰りたかった叔母は必死で自転車を持ち上げて倒木を越えようとしたのですが、荷台に満載した大きな自転車、どうしても超える事が出来ず、途方にくれた叔母。

祖母:「誰か助けてよ・・・ごちそうあげるから・・・」

そうつぶやいたのだそうです。

途端、ふいに自転車が軽くなり、簡単に倒木を超える事が出来、ほっとして後ろを振り返ると倒木は消えていたそうです。

不思議に思いながらも帰宅すると、荷台に満載していたはずのごちそうが、入れ物だけを残して綺麗になくなっていたそうです。

「もじなに化かされたんだっぺなぁ」

叔母は笑いながら話してくれました。

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