父が見た2つの煙

カテゴリー「不思議体験」

私の家族は4人家族なんですがその中で唯一、父(58歳)1人だけ子供の頃から霊感を持っています。
ただし、霊が見えるだけではありません。

父が10~11歳の頃、住んでいた町に集中豪雨が襲い、川が氾濫。
集落に住んでいた住民は早く避難したお陰でほとんどが助かりました。
でも中には何人かの方が逃げ遅れ、遺体となって発見されたのですが・・・どうしても1人だけいくら探しても探しても見つからない。
3日掛けて探しても見つからない。
消防隊や住民も遺体を捜すのは諦めようとしていたその時でした。

たまたま捜索現場へ兄(私の伯父)と遊び半分で見に現場へ足を踏み入れた途端、父は一言、言ったんです。

「一番右端の木の根っこに引っ掛かってる」と。

父の言葉を初めバカにしていた大人達は半信半疑でその場所へ行ってみました。
そしたら、3日間いくら探しても見つからなかった最後の1人の遺体が見つかりました。
父が言った通り、一番右端の水の圧力でえぐれた木の根っこに遺体は引っ掛かっていたんです。

この話を聞いたとき、私は「お父さんの当てずっぽうじゃないのー?」と半分信じない気持ちで言葉を返しました。
でも、父は「違うよ。だって俺が兄貴とその現場見に足踏み入れたら、その人(見つからなかった遺体)木の下でずぶ濡れのままこっち見て立ってたんだ」と。

それだけはありません。
父は警備員の傍ら、パークボランティアという山の仕事を年数回やっているのですが、30代後半~40代前半、地元の山で災害が起こり2人行方不明に。
さすがに父は一般人ですから捜索へは参加できませんでしたが、(捜索)話を聞ける時間があったようです。

やはりここでも父は『何か』を感じたんでしょう。
父は「言いにくいけど、2人とももう亡くなってて、山の×××にいる」と・・・だけど、ここは当の大人。
一般人の父の言ってることなんて誰も聞く耳すらもたずまい、話もあっさり流され・・・です。

父は同じボランティア仲間に「俺が言ったこと誰にも言うなよ」と口止めし、その日は家に帰りました。

そして、捜索してから3~4日後、まさしく父が言ったその場所で2人の遺体が揃って発見・・・。
まだまだそれだけではありません。

さらに3日前に聞いた話です。
私の生まれ育った県はあの連続児童殺人事件で有名になってしまったA県。

その事件が起きる数ヶ月前、父はF町まで1人車で出かけているのですが、とある住宅街の道路を走っていた時、父はある1軒家の所で白い煙を1つ見たそうです。

そして、なぜかもう1つ、同じ煙が数m離れた家の所にも。
その2つの煙はだんだん白い影になり、影はまるでウジャウジャとうねるように変形していき、フッと消えたそうです。

それを見た父は「ここで誰かが亡くなるか亡くなってるかも」と感づき、車のスピードを上げてその住宅街から出て行ったのですが、数ヵ月後、あの事件が起こったので父はこのことをしばらく誰にも話せなかったと言いました。

思えば、父が見た『2つの煙』は亡くなったあの子達のことだったのかもしれません。
いくら霊感があるとはいえ、父の場合はある意味不思議というか、何ていうか、娘の私でさえも何て表現したらいいのか・・・。

中には父のことを「気味が悪い」という方もいるとのことですし。
ちなみに半年前に父から「ずっと黙ってたんだけど実は家の玄関から洗面所のところまで霊道になってて毎日って訳じゃないけどたまに入ってくるんだよ。リビングを窓からじーーーっと覗いて見てる人もいるし、2階まで上がっていく人もいるし。たまにイタズラかける人もいるけど、みんな悪い霊じゃないから怖がる必要ないよ」と言われて以来、1階のソファでは寝られなくなりました。

確かに1人で昼寝してる時、誰かに覗かれてるような感じはしてたんですが、まさかそうだとは・・・。

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