就寝中に変な言語を口走る

カテゴリー「不思議体験」

友人がなにやら現在進行中の変な話。
自分でも釈然としない。

最近、昔の友人と久々に再会した。
他の連中と一緒にキャンプや外泊をよくやって遊んだ仲だったが、ずいぶんとやつれていた。
理由を聞くと、結婚して子供が出来たものの妻と死別し、子供ひとりが残ったが、これが下半身麻痺で精神も病んでいるそうな・・・。

で、友人が昔行ったことがあるキャンプ場のことを話し出した。
時期を外して行ったので人もほとんどおらず、バンガローを借りてしこたま騒いだのをオレも覚えている。
いろいろ話すうちに、そこのトイレでの一件に話題が移った。

仲間の中でも一番臆病だった友人は、夜中に離れたトイレに行くのを嫌がってオレらに連れションを持ちかけた。
他の連中は笑って取り合わなかったが、オレはたまたまションベンがしたかったので一緒に行ってやった。
小奇麗なトイレで、身障者用の個室まで完備した立派なものだった。

オレはまっすぐションベン便器に向かったんだが、友人はその身障者スペースが珍しかったらしく、引き戸を開いて、「あっスンマセン」と言ってすぐ戸を閉めていた。

先に用を済ませたオレは、友人がウンコだというので外に出てしばらく待っていた。
やがて大便を済ませた友人が出てきて、「さっきの人怒ってなかったか」、と妙な事を聞いてきた。
ウンコしていたら引き戸の開く音がして、車椅子の音が友人の入っている大便スペースの前まで進んできて、しばらく変な言葉をぶつぶつと言っていたが、しばらくすると便所の外に出て行ったという。

出入り口で待っていたオレは誰も見ていないので、酔った友人の戯言だと思っていた。
当の友人もその時は首をひねっていたものの、気のせいかと流していたはずだった。

「あーそんな事もあったっけなぁ」、とオレが笑うと、友人は大真面目にこっちを見た。

あの時に見たトイレの人の膝下が無かったこと、間近に寄ってきた便所の扉越しにつぶやいていた言葉が変な外国語っぽかったこと、子供が就寝中にそっくりな言語を口走ること、亡くなった妻が生前に自分の子を病的に怖がっていたこと、などを堰を切ったように話してきた。

友人が結婚した時には以前のメンツはほぼ疎遠になっていたし、亡くなった奥さんのことも正直よく知らないので、相槌を打つしかオレには出来なかった。

それにオレは文字通りなんにも見ていないし、声というのも聞いてない。
友人は店の中で半泣き状態で、どこか霊験のある寺やら神社やらないかと尋ねてきた。
そっち方面も疎いオレはとにかくその場、宥めるのが精一杯だったが、友人のその様子を見てなんだか薄ら寒くなった。

子供に対して、友人は何か不気味なモノを感じているようで、偶然が重なった結果の思い込みなのかどうかも個人的に判断つきかねた。
オレとしては片親で不自由な子供を今後も養っていく境遇のほうがキツいし怖いんだが、友人はそれどころではないような異様な雰囲気だった。
今度、子供連れて遊びに来たいという。

悪いが猛烈にイヤだ・・・。

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