風船に何者かが宿る

カテゴリー「不思議体験」

不思議系でいくつかご紹介・・・。

【風船が意思を持つ】
昔、風船に追い掛けられたことがある。
ほとんど物心がついたころだから、4、5歳くらいのことだろう。

田舎の古いうちで、どこかでもらってきたらしい、顔の書いてある浮く風船で遊んでいた。

子供心に、なんとなくその風船の顔が気持悪くて、遊んでいた部屋にその風船を残して、隣の部屋に移った。

ところが、元の部屋に残したはずの風船がこちらに向き直って、ランマをくぐってゆっくりと接近してくる。

急に怖くなって、ともかくこの風船を何とかしないとずっと追い掛けてくる・・・と思って、その風船を滅多に入ることのない祖母の部屋に閉じ込めることにした。

祖母の部屋は、普段からふすまで閉ざされていて、特にそこに行くこともなかったので、私にとっては、なんとなく秘密めいた印象がある部屋だった。

いくらなんでも風船がふすまを開けることはできないだろうと思い、風船のひもを持って、祖母の部屋のふすまを開く。
開けるやいなや、持っていた風船をその部屋に押し放ち、速攻でふすまを閉じた。

そのあとどうなったのか、今となってはさっぱり覚えていないが、それ以来、顔のある造形物がすっかり苦手になってしまった。

【天狗の空木倒し】
爆発音について一つ。

うちの祖父母は鳥取県の山村に住んでいます。
うちが消防の頃(十年くらい前)祖父母宅に泊まったのですが、その時、裏の山から大きい爆発音を聞きました。
家も少し揺れました。
夏の夜、確か2時くらいだったと思います。

翌朝、祖父母に訊くとこんな事を教えてくれました。

中国地方には、地域により少し名前は変わるのですが、天狗の空木倒し(てんぐのからきだおし)という現象が昔からあるようです。
夜木が倒れたり、石が家にぶつかるなどの音がするが、朝にまわりを見たらなにもないとの事。

林業の人が杉の木の剪定などのために山小屋に泊まっているときによく起こるそうです。

祖父母からは、それに間違いないと言われました。
でも、この『天狗の空木倒し』・・・今でも原因がわからないそうです。

その前に、戦後この現象に出くわす人自体が少なくなった上、今では、林業の人が減っているので幻に近いかもしれません。

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