四国にある吊り橋での怪奇現象

カテゴリー「怪奇スポット」

もう卒業して3年くらい経つけど、学生時代の話。

自称霊感がある先輩ってのがいて、同じサークルなのでたまに飲みに行っていた。
サークルは新聞部。

ある時、四国のとある吊り橋を見に行きたいって先輩が言い出した。
どうやらいつもは他の友達と色々旅行しているらしいが今回はあいにく断られまくったらしく、なんか最後に俺のところに話が回って来たみたい(苦笑吊り橋そばに売店?っぽいお店があったがえらくくたびれていて、店は閉まっていた。

それじゃ、そろそろ吊り橋渡るかな?って感じの時に先輩はおもむろにストップウォッチを取り出した。
先輩曰く、「人がもつ寿命に準じて吊り橋を往復したときの時間が変わるらしい」

いやいや、でもさ、ゆっくり渡ったり、せかせか渡ったりしたら時間はそれぞれ変わるだろうって思ったんだけど、先輩の話では、そんなレベルではなく人によって明らかな差が生まれるとのこと。
(ああ、だから先輩一人じゃなくて俺も呼ばれたのかなって思った。でも寿命は先輩も俺も1歳違いだからそんなに変わらないと思うんだけどね・・・)
先輩から先に渡るそうだ。

ストップウォッチのスイッチを入れ、恐る恐る吊り橋を渡りだした。
意外と揺れるんだなって見ていて驚いた。
でも鉄製の?部品も使ってあったので、橋が落ちることはなさそうだった。
足下を見ると、下は川なんだけどかなりの高さだから結構怖そうではある・・・。

5分くらいで先輩は向こう岸に到着。
すぐにこちらに向かって歩き出した。
往復のタイムは・・・たしか12~13分だった気がする。
なんか拍子抜けしたな。

次に俺の番が来た。
ストップウォッチを入れて渡りだす。
結構ミシミシ言っていて怖かった。
左右に捕まりながら普通の速度でなんとか片道を渡り終えた。
タイムは7分。
先輩よりちょい遅いくらい。
先輩のところに戻ろうと思って振り返ったら、誰もいなかった。
(まさか俺を置いて先輩一人で帰ったとか?と思ってかなり焦った。)
とりあえず吊り橋を戻る。
でもやっぱり先輩はいない。
さっき車を止めた寂れた売店へ歩いて向かうが・・・車が止まっていない。
完全にやられた!と思った。
そんな人じゃなかったのに・・・。

すぐに携帯で先輩に電話をかけた。
繋がった。
ノイズがひどい。
森の中だからか?
むかついていたので、ちょっと声を荒げてしまったが「なんで置いて帰るんだ!」

みたいなことを言った気がする。
先輩は、ごめんごめんと謝りながらこういった。

「今吊り橋のそばに居るからさ、もう一回来てよ」

って。

「ああ、車を隠して驚かそうとしたのか?」と思って、吊り橋へ戻る。
しかし先輩は見当たらない。
吊り橋の向こうかと思って渡ったが吊り橋の向こうにも先輩の姿は無かった。
なんかむかついて携帯を取り出し、先輩にかけようとして何気なく振り返ったら、吊り橋の向こう(元居た場所)に先輩が立ってた。
だけどなんか雰囲気が違った。

驚いたのは茶髪だった先輩が白髪になっていたこと。
ただ別におじいちゃんになっていたという訳じゃない、髪だけが脱色したように真っ白になっていた。
あと雰囲気もどことなく違っていた。
別に優しかった人が怖そうになっていたとかではなく、直感的にいつも見てるけどこれはなんかそっくりだけど違うものって感じ。
大声で向こう岸の先輩に「からかわないでくださいよ!」と叫んだら「ごめんごめん、こっちに戻って。
もう帰ろう」と言われた。
吊り橋を戻る。
ストップウォッチを返そうと思いタイムを見たら9時間12分になっていた。
どう考えても、今までの体感時間は1時間程度だったのに。

先輩はストップウォッチのタイムを見て、ちょっとニンマリして「俺君はきっと長生きするよ」と言った。
白髪のことはなんか言い出せず、そのままスルーして車に乗って先輩と帰った。

帰り道で何度もあの吊り橋の云われを聞いたが何も教えてくれなかった。
その後、夏休みで2ヶ月顔を合わせることはなかった。
新学期、新聞部の打ち合わせで先輩に会ったら、頭を坊主にしていた。
俺の目線が先輩の頭に行っているのを、先輩は気づいて、寂しそうに笑った。
けど、何も教えてはくれなかった。

以上です。
なんか釈然としない終わり方ですみません。
当時はなんとも言えない気持ち悪さを感じていました。
今も思い出すと少し。

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