高良山での合宿

カテゴリー「怪奇スポット」

大学生の頃、4月に高良山へ登った。

合宿といえば聞こえがいいが、尾根沿いにある自然公園は首吊りがあった事で有名。
合宿の半分は肝試しという側面もあったのだが・・・。

日没前には現地に入り、公園内という事で気が引けたのだが天候が崩れる事が予想されていたので、テントの周辺に溝を巡らせランタンを消した。

しかし、そこは大学生。
寝付ける訳も無く怪談大会になるのは自然の流れ。

天草五橋の心霊写真や日向の殺人のあった家で見た塩の入った壷等とひとしきり話しこんだ後に就寝となったのだが、夜半から崩れた天候による風と雨音に混じりシャリン、シャリンという音が聞こえる。

最初はテント脇のブランコだろうという事ですましていたのだが、件の音がテントの周りをぐるぐると回り始めるに及び皆の緊張は頂点に達した。

山伏が持つワッカのついた杖のような、托鉢の持つ鐘のような。そのうち、耐え切れなくなった同期の奴がテントの小窓から外を覗き見たのだが何も見えなかったらしい。
結局、明け方には音も消え逃げるように撤収したという話なんだけど。

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