6年前に僕と兄に起こったことです。
当時兄は、遠距離恋愛をしている彼女がいて、週末に彼女が家に泊まりにきて、兄が彼女の家に車で送るというのが日課になっていました。
その日、いつものように兄が彼女の家に送るので、帰る時に一人暇なので、僕も一緒にどうかと誘われたので一緒に行くことにしました。
片道70kmくらいで、無事に彼女を送り、帰る途中、明日休みだしどこか寄り道して帰るか、ということになり、心霊スポットに行ってみることにしました。
心霊スポットは、この辺で有名な、今は立ち入り禁止の旧トンネルで、すぐ隣に新しくトンネルがあります。
兄「ここか、さすがに雰囲気あるな」
僕「寒気するけ通りすぎようや」
兄「まぁとりあえず買ったばかりのデジカメでお前撮る・・・・ん?フラッシュはどうやれば・・・」
その時、フラッシュがつかず映像も保存されませんでした。
トンネルを通りながらお互いを撮ろうとしましたが、設定やらよくわからなくて撮れない状態なんだと、その時は思いました。
ゆっくりトンネルを走りながら僕は、右のコメカミが痛くて、デジカメの事はどうでも良くなっていました。
兄が怖がると思ってそのまま黙っていましたが、兄が「さっきからさ、俺左のコメカミが痛い・・・」と言ってきたので、驚きながら、僕は右のコメカミが痛むのを伝えました。
兄が「じゃあ、間になんかおったりして・・・」と、少し怖がらせようと話してきました。
その瞬間、『ピシャシャシャシャッ』と、さっきのデジカメが突然輝りまくりました。(後から気付きましたが、たしかトンネルを抜けた時でした)
見てみると、さっき撮れてなかったはずの映像が保存されてます。
写真を見てみると、兄を撮った時の方に、一枚おかしなのが映ってました。
兄の運転している姿が映っていて、左の頭が映っているのですが、子供が泣いているのかクシャクシャに笑っているのかわからないような、霧のようなものが映ってます。
僕らは、いきなり怖くなって、当時流行りの「慎吾ママのおはロック」を大熱唱して車を飛ばしました。
そして、コンビニまでとりあえず行き、落ち着こうということになり、改めて全ての写真を見てみることにしました。
一見、一枚だけしか映ってないようで、兄は他にもないか調べていました。
すると、もう一枚、おかしなのがありました。
僕を映した写真で、一見、ただ助手席に足を組んで、膝の上に両手を重ねて置いてるだけの写真・・・。しかし、おかしかったのは、『僕』ではなくて、車の窓に反射して映ってる『ボク』でした。
ボクの、足を組んで、手を重ねている部分・・・指が多いんです・・・。
被さるように手が重なっているようでした。
それと、もうひとつ・・・ボクの顔が、すごくクシャクシャに、泣いているのか笑っているのかわからないんです。
僕は、普通の顔をしていたのに・・・。
これはヤバいと思い、すぐに写真を削除し、おはロックを歌いながら飛ばして帰りました。
むやみにトンネル内で写真を撮るのは止めたほうがいいですね。