救急車なんて世間体が悪い

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

そういえば、かなり前に聞いた話。

うちの子の同級生のお宅なんだけど、そこはジジババと別居なのね。
んで、一番下の子が当時6ヶ月。
そこの兄弟アトピーで、かなりの食事制限があったんだ。
んで、なんかの時にジジババが泊まりに来て、朝ごはんに生卵ぶっかけご飯を食べたらしいの。
まあ、アトピーの子供のいるお母さんなら判ると思うんだけど、アトピーっ子ってたいがい生卵ダメなんだよね。
6ヶ月の子ならアトピーじゃなくても生卵は避けるよね、普通。

で、食事制限の事をジジババに言っていたにも関わらず、お母さんが台所に立った隙に、6ヶ月の子供にそのご飯食べさせたらしいの。
おかあさんは暫く気が付かないまま台所仕事をしてて、数分してからジジババが「ちょっと!!なんかこの子様子が変よっっ!!」って。

見ると気管にまでアレルギーがボコボコと出てしまい、息ができなくなったんだって。

即救急車呼んで病院に行こうとしたら、ジジババは「救急車なんて世間体が悪いからやめなさい。自分の車で行って頂戴」

母親はキレて電話機投げつけたらしい。
隣で充電してた携帯から救急車呼んで、すぐ病院に搬送されたらしいんだけど、結局間に合わなくて・・・。

もう1年近く前の話で、小さく地方紙にも載ったから、もしかしたら覚えてる人もいるかも知れないけど、
お通夜で見たお母さんの顔が忘れなれない・・・。

で、お通夜にはジジババもいましたよ。
ただ、お母さんがお通夜の途中で倒れてしまって・・・。
んで、大泣きしながら「私の孫が・・・○○ちゃんが・・・」とかって、孫を亡くした可哀想な祖父母を装ってました。

まわりの反応って言うか、そのジジババを見る目は言わずもがな。
焼香でジジババの前を通るときにボソッと「人殺し」って呟いて行く人もいたな。

これは後で人に聞いた話なんだけど、子供が亡くなった後にそのジジババは「私の食べさせた卵が原因だとは決まっていないでしょう?そんなに言うなら解剖でもなんでもすればいいじゃない。今度は訳の判らない体の弱い子供は産まないで頂戴!」みたいな事を言ったそうです。

その後、そちらのお宅は離婚しました。
朝食時の事だったので、もちろんご主人も食卓にいたんですよ。
ご主人はアレルギーの事を判っていたはずなのに、それなのにジジババを止める事をしなかった。
あんた達3人が子供を殺したようなものだ、と・・・。

実はご主人、ジジババと一緒で、奥さんの「子供が死んでもいいの?」という言葉を、いつも「大げさな奴」位にしか思ってなかったみたいなんです。

で、「子供の命に関わる事を簡単に大げさで済ます人の事を、子供に父親だとは思わせたくないし、そんな資格はないでしょう?」って。

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