びゃしん様ってなんですか?

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

1ヶ月前に姉の身におかしな事が起こり、似たような体験を探しているのですが、見つからなかったので、似たような体験をお持ちの方を探しています。

約1ヶ月前に姉と愛知県の親戚の家に法事で行きました。
法事の後の親戚同士の酒の席に耐えられず、私と姉は散歩に出かけました。

親戚の住んでいる所は、近くに店もなく田舎であたりは田んぼと少しの民家がある程度です。
とても静かで空気のすんだ田舎道を心地よく感じながら歩いていました。
しばらく歩いていくと、姉が急に立ち止まり、「あれ何?」と言うのでその指を指す先を見ると、灰色で猫のような形をした何かが、空中を動きながらふわふわと浮いていました。

「風船じゃないの」という私の言葉を無視して、「ちょっと見てくる」と言い、姉はその何かに向かって走って行ってしまいました。

「ガキか!」と思いながら私は近くの神社の石階段に腰を下ろし、タバコに火をつけて走っていく姉の後ろ姿を見ていました。
少し目を離していたら、姉が大きな声で「どこいったーどこいったー」と叫びだし、四つんばいになってぐるぐると回り出しました。

私は驚いて姉のほうへ向かい走っていくと途中で、灰色の物体とすれ違いました。
その灰色の物体はなんと姉の顔をしてニコニコ笑っていました。

「え!?」と思ったけど叫び続ける姉のほうが先だと思い駆け寄ると、姉はよだれを垂らし、白目を向き、四つんばいで「どこいったーどこいったー」とドスのきいた声で叫ぶばかり。
私はその姿を見て全身から冷や汗が流れ、手も痙攣しました。

やっとの思いで携帯をポケットから取り出し、親戚の家に電話すると、伯父さんや親戚たちが駆けつけ「お前らまさかびゃしん様に近寄ったのか!?」と怒鳴られました。

おかしくなった姉を車に乗せ、伯父さんは私と姉を草が生い茂るボロボロの家に連れていきました。

玄関の扉をドンドンと叩くと、中から老婆が出てきて、姉を見るなり私にむかってすごい剣幕で「もう遅いわ!このたわけが!」と言い、叫び続ける姉を引きずるようにして家の中へ・・・。
全身ガクガクで立っているのがやっと、という状態の私を伯父さんは悲しそうな顔で見つめ「もう姉ちゃんは駄目かもしれん。びゃしん様にはかなわんのだわ」と言いました。

老婆は姉を「あずかる!」と言い、そのまま私と伯父さんは帰ることになり、親戚の家へ帰ると、みんな泣きながら「びゃしん様は・・・」と話していました。
私がその話を詳しく教えてくれと頼んでも、「聞かないほうがいい」と頑なに教えてもらえませんでした。

あれから1ヶ月経ちますが、姉はいまだに老婆の元にいます。
そしてまだおかしくなったままだそうです。

姉はどうなるのでしょうか?また「びゃしん様」って何なんでしょうか?
それからびゃしん様にとりつかれた姉は何を探しているのでしょうか?

ただ今は姉が元に戻るようにと願うばかりです。

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