麗子像

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

川崎のマンションに数年前住んでいたんだけど、その部屋がエレベーター出て右手の突き当たりにあり、向かいにエレベーター左手突き当たりの部屋と向かい合わせの位置にありました。

毎朝6:30頃に家出て会社そばの店でゆっくり朝食をとってから仕事つく・・・そんな生活スケジュールを規則正しく続けてたんです。

しかし、ある時おかしなことに気が付きました。
自分が朝扉を開けて出た瞬間、向かいのドアが同時に閉まったように感じたんです。
そういえば向かいの住人見た事無いな、早起きなヤツだな~なんてそん時は思いました。

ところが、気を付けていると次の日も、その次の日も全く同じく閉じる音がするんです。
まあ、それでもほぼ出勤する時間は同じだったのでまだ、向かいも新聞とるのが規則正しいだけかもしれん、と考えていました。

そんなある日、珍しく出張が入っていたのでいつもより10分ほど早く部屋を早く出て、バーンと扉開けたら、そこにいたんです・・・。
『麗子像』そっくりの気味の悪い女が・・・。

おかっぱで広がった色黒の大きい顔、小さくずんぐりとした体躯、着物。

目があった瞬間、すごい勢いでUターンし向かいのドアに飛び込み勢いよく閉じられました。
あまりの気持ち悪さにしばらくその場から動けませんでしたよ、ほんとに。

ヒッキーかもしれませんし、単なる人嫌いかもしれません。
なんだよ・・・こっちのほうが怖いわ!とかも思いました。

しかし、後から考えてみると、10分も前からこちらを向いて立っていた?と、とても気持ち悪いでした。

これ以降、出かける時は聞き耳をたて、必ず大げさな音をたててから部屋を出るクセが引越ししても治っていません。

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