ドザエモン

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

はじめてドザエモンを見た時の話。

夏になると漁港の堤防から、ザブーンと飛び込むのが実に楽しかった。
最初は怖いものの、慣れればへっちゃら、怖くておどおどしていると同じ遊びをしていた工房DQNから放り出されることもあった。

ここらへんは潟なので透明度はあまり無く、海の色で深さを診ることが出来ない。
堤防の土台が見えていなければ着地することはない・・・というのが漁師の子らの定説でした。

お盆前のこと。
都会から帰省した連中か見慣れない連中が、俺らの定位置で飛び込んでいやがる。
ちょっと不愉快に思いながらちょっと離れた場所で遊び始めました。
しかし都会の奴の飛び込みっぷりはスマートでしばし見惚れておりましたら、華麗に飛び込んだ野師が一向に上がってこない・・・。
これは一大事、大騒ぎになりました。

何人か飛び込んで潜ったりしていますが手探り。
俺は飛び込んだ位置をみていたので飛び込んだのですが、皆が海底の潟をかき回したおかげで視界はほとんど無く手探り。
手を動かしながら探っていましたが、手掛かりなし・・・。
で、浮上しようと上体を起こした時足に何か触れました。
息が持たなくなったので一回浮上し、「ここになんかある!」と言って再度潜りました。

もう一度潜って掴んでみると、人肌のような?

引き寄ってみると人そのもの・・・。
びっくりして息を吐いてしまい溺れて、ミイラ取りがミイラになるところでした。

見た感じは、皮膚は白く見え髪の毛はフワッとしたようで、体勢はえび反った感じです。
掴んだのは肩、表情は見たのかもしれませんが記憶に無いです。

結局レスキューと消防団が来て引き上げましたが、即に死亡。
両太腿まで潟に抜かって(刺さって)いました。
俺ら田舎者とちがって飛び込み方に原因があったのだろうということに・・・。
抵抗がない分そのまま着底、潟にはまった経験のある人なら理解できると思います。

知らない海でむやみに飛び込むのはやめましょう・・・。

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