人を壊す目的だった

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

「前の婚約者に会っちゃった」

今思えば、あの日辺りから彼女がおかしくなりました。

何か突然「臭い!」と言い出したり、いつもイライラしてケンカを売るような挑発的な態度を取ったり、近所の公園で俺の帰るのを待っていたり、とにかく家にいるのがイヤだと言い出すようになりました。

彼女の実家は資産家で警備の犬を放してあるような豪邸なので、お嬢様の彼女は今の2LDKのアパートが気に入らないのかな?

ごめんね甲斐性のない俺で・・・なんて自己嫌悪に陥ったりもしました。
でも、一年半も一緒にいて今さらかよ・・・という怒りもありました。

前の婚約者とはお見合いで知り合い、半年程付き合った頃に実は彼がSという宗教に入っていると告白。

それ以来週末のデートはSのI会館というところに入り浸るようになり、それがイヤで彼女が父親に相談すると、父親が怒り狂って婚約破棄、だったらしいです。
そんな義父さんに相談されると俺まで怒られそうだwと。

結局彼女は一週間後に別居するって言い出して、二人で大ケンカしました。

ケンカ後仲直りして散らかった部屋を片付けることになったとき、彼女がぞうきんバケツをみて、「ホラなんか面白い」と、指差してます。

そのバケツは何もしていないのに波紋が出ていました。
それを見て俺は気が付きました。

翌日会社の友人からオシロスコープと低周波マイクを借りてきました。
案の定、10Hz・12Hz・16Hzの不協和音が検知され、隣の部屋の壁から出ていました。
空家と思ってた隣の部屋は、大家さんに聞くと3ヶ月前、荷物置きとして人に貸したということ。

「ニオイが臭いから開けてくれ。」と、でまかせで開けてもらうと、本当にとんでもないニオイが部屋から臭ってきました。

「なんだ?こりゃあ!」

大家さんが窓を空けに向かったのでドサクサに俺も入りました。

そこで見つけたものは、スピーカーを俺達の部屋に向けた電源入りっぱなしのミニコンポ。
よく分からない装置が付けられてボリュームはMAXになってました。

事情を話すと大家さんが「悪質だよ。」と親身になって警察への通報をしてくれました。

部屋を借りた名義は彼女の前の婚約者ではありませんでしたが、傷害と器物破損で逮捕されたと聞きました。(警察は犯人がどんなヤツかとかは教えてくれないんですね・・・)

今は平穏を取り戻し、隣の部屋は悪臭のため人に貸せないということで本当に空き部屋になってます。

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