打ち殺されてもおかしくない

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

小学生のとき、通学路の土手、橋の下にちと狂ったおっさんがいた。
俺らはいつも石を投げたりして馬鹿にしていた。

ある日、友人の中でもかなり馬鹿っぽい奴が帰宅途中に長い棒をひろって、ドラクエの勇者気取りで、振り回しては悦に浸っていた。
そして、おっさんの住みかに近づき、そいつはなぜか棒を振り上げながらおっさんに突進していき、棒でばしばし殴った。

おっさんは「やめてください、やめてください」って敬語で俺らに嘆願していた。

友人は「やめて欲しかったら『かいだん』って漢字で書いてみろよ!」って言った。
ちょうどその日に学校で習った字だ。

おっさんは橋のコンクリの所に小石で、『階』のつくりと偏が逆になったような物を書いた。
『段』は書けなかった。

友人は、「ばーか、こうかくんだよ!」ってその横に『階段』って書いた。
気が済んだのか、それ以上何もしなかった。
おっさんはうずくまっている。

その日も、普通に遊んで帰った。

それからしばらくして、そのおっさんが銃刀法違反で捕まった。
ヤクザの方々から拳銃を預かっていたそうだ。

撃ち殺されなくてよかったよ・・・。

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