うさぎの惨殺(前編)

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

あれは私が小学校4年生ぐらいの頃だった。
私が通っていた小学校は全校生徒40人弱と過疎化が進んでいる田舎の学校で、とにかく周りは山や段々畑ばかりでコンビニなんて学校から10キロ先にしか無いような所だった。

そんな学校なんで当然動物何かも沢山出る。
狐や猿やイノシシ、野犬何かも出る。
すでに周りが動物園みたいな環境だが、学校でも、ウサギ、インコ、鶏&烏骨鶏を飼っていた。
私の学年3.4年生はうさぎの飼育だった。

その日私は夕方の餌やり当番だった。
九月も後半に入ったがまだ暑く、夕暮れ時ヒグラシがないていた。
私はグラウンドにあるウサギ小屋にダンボールいっぱいに入ったキャベツの残飯を持って向かった。
グラウンドでは3人ほど女子がジャングルジムで遊んでおり、終わったら仲間にいれてもらおうとか考えていた。

ウサギは全部で6羽いて誰かが餌を持ってきたのを見るとドアの前に餌をもらいに集まって来る。
私は生き物が好きだったのでその姿が好きでとても可愛らしかった。

しかしその日はなんだか様子がおかしい。
いつもだったなら小屋の前に立った段階で金網越しからウサギが見えているのだが、1匹も見当たらない。

俺は小屋のドアノブを回し中に入った。

中に入るとやはり1羽も見当たらない。
中は荒れた様子もなく、ただ『ウサギがいない。』と言う状態だ。

もしかして逃げた?
私は慌てて外で遊んでいた女子達に駆け寄っていった。

遊んでいたのは学校の近くに住んでいる姉妹だった。

私は『ウサギがいない』と言う事を伝えた。
とりあえず先生を呼びに行こうと言う事になった。
そこで一人が『私はここでうさぎが周りにいないか探す』と言われ私と姉妹は職員室へ向かった。

職員室に行くと担任の先生と教頭先生がいた。
私たちは担任の先生に事情を話した。

『とりあえずウサギ小屋の周りを調べてなさい、少しして先生もいくから』と言われて私たちはグラウンドに戻った。

グラウンドに戻ると私たちはすぐウサギを探し始めた。

だが、一匹がすぐに見つかった。
グランドの真ん中で背をピーンと伸ばし目を見開き腹のあたりが割かれ内蔵がないのか、お腹が凹んで周りに腸の切れ端みたいな物が少し落ちていた。
だが、周りに血痕はなく何処かで腹を割いて置いたようだった。

死体を調べていると先生がやってきた。

そうして死体を見ると「今日はもう遅いからとりあえず家に帰りなさい。明日埋めてあげようね。」と言われ俺たちはとりあえず家に帰る事にした。

次の日、私たちは学校に来て4年生全員(男4女4の8人)でウサギを埋める事から始まった。
田舎の学校だからか、飼っていた生き物が死んだりしたら、通常の授業はお休みにしてくれて時間を作ってくれていた。

私たちはウサギをグラウンドの隅っこに埋めてあげるようにした。

男子は穴掘り女子は野花とクッションになる葉っぱなんかを取りにいった。
穴を70センチほど掘りウサギを埋めるとき、私は昨日の事をみんなに話した。

そして、もしかしたら野犬か何かが入ってそれに追われて逃げ出して殺されたんじゃないか?と言う推理を立てた。

※「うさぎの惨殺(後編)」へ続く

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