死ぬ人の事を考えちゃった

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

練炭の集団自殺。

ろくに顔も合わせたことない人が集まるんだよな。
車持ってる人が、各志願者を最寄りの駅あたりまで迎えに行くのかな。
「こんにちは、初めまして」なんて、愛想笑いのひとつもするのかな。

全員そろって、人気のない場所へ向かうわけだよな。

当然もう夜になってる。
各自酒や眠剤を持ち込んでて、ドライバー以外は目的地に着く前から飲んだりしてるのだろうか。
酒飲んだらトイレ行きたくなるよなあ。

「すいません、ちょっとどこかでトイレ寄ってください」なんて、頼んだりするのだろうか。
コンビニかどっか立ち寄って、最後のトイレ休憩?

目的地に着いて、内側から目張りをするんだよな。
これはみんな協力してやるのだろうか。

「後ろの窓お願い」なんて、粘着テープを渡したりするのだろうか。
ドアまで目張りしたらもう外には出れないよね。

「最後にちょっと一服」なんて出て行くスモーカーもいるのかな。
その人が戻ってきたときに、タバコをすわない人が「くさいなあ」って顔をしかめたりもするのかな。

練炭のコンロって、結構大きいよね。
4人乗ってたら、どこに置くんだろう。

「そこ、いい?」なんて、自分の足元を指さされて、窮屈な格好になるのに「嫌です」なんて断れなくて、「あ、はい」って言っちゃう人もいるのかな。

いざ練炭に火をつけるときは、みんなに「着火するよ、いい?」って聞くのかな。

もう寝ちゃってる人がいて、静かな寝息を立ててるその人を、起こした方がいいのかなって、ちょっと考えたりするのかな。

練炭がたかれて、一酸化炭素が充満してきて、なかなか寝れなくて困ってたら、隣から声を殺して泣く声が聞こえたりするのかな。
泣き声で起こしたら悪いって、最後まで気を遣う人もいるのかな。

修学旅行の夜みたいに、みんなが寝ちゃって、自分だけ起きてるような
取り残された気分になる人もいるのかな。

でも、いびきがだんだん聞こえなくなって・・・。
もっとお酒も、眠剤も持ってこれば良かったって、思ったりするのかな。

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