夢にまつわる後味悪い話

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

交際二年になる男女がいた。
お互いの両親にも挨拶をして近々結婚する予定だった。
しかしある日、彼女に新しい男ができてしまい、彼氏は説得を試みるも彼女はその男の元へ行ってしまった。

失意のどん底にいた彼は、それから毎日脱け殻のように家に引きこもり、家族とすら口をきかなくなった。
唯一の救いは酒。

元々飲める体質ではなかったが、シラフだととてもやっていけなかった彼は昼夜問わず飲み続けた。

ある日、泥酔した彼は台所から包丁を持ち出し自殺をしようとした。
しかし、死ぬことはできず、ただただ包丁を振り回して遊んでいた。

もう見ないと決めていた彼女と撮った写真やプリクラを見ながら号泣したり、彼女を思い出して自慰行為をしたり・・・。

彼はいつまで経っても彼女のことを忘れることができずにいた。

体重は激減し、頬はこけ、目の下にはクマが酷かった。
彼女は、別れても友達でいようと言ってくれて、連絡先はまだ知っていたが、男がいるとわかってて連絡するのはあまりにも辛すぎるし、それだといつまで経っても忘れることができないと思い、別れてからは一度も連絡はしなかった。

すると、ある日彼女のほうからメールが。
内容は、その男と結婚することになったというものだった。

彼は壊れた。
もう殺すしかない・・・。

包丁片手に彼は彼女の仕事場まで向かった。

彼女の仕事場に到着し、車の中でひたすら彼女が仕事を終わるのを待つ。
定時になり彼女は仕事場から出てきた。

男は車のエンジンをかけ、彼女が乗り込んだ車めがけ思いきり突進した。
彼女は彼に気づき怯えた表情で携帯で救いを求めている。

彼はすかさず彼女の元へ行き、彼女を車から引きずりおろした。
髪をひっぱりながら引きずりまわし、その後は手にしていた包丁でメッタ刺し。

彼女は死んだ・・・。

血まみれの彼は彼女の携帯を使って彼女の彼氏にメールをした。

「変な男がいるから今すぐ職場まできて」

そうすると彼は彼女の死体を隠し、男がくるのを待ち続けた。

数十分もしないうちに男は姿を現し、彼は彼女と同じ方法でその男を殺害した。

冷静を取り戻した彼はその場に倒れこみ号泣した。
そして男は目を覚ました。

何だ・・・夢か・・・。

彼は安堵の溜め息をついた。
横には彼女が眠っていた。

男は彼女に振られて殺してしまう夢をみたのだ。
実際は別れていなかった。

しかし、その夢のせいで不安になった彼は、その後寝ている彼女を本当に殺してしまった。

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