去年の夏の話。
いわゆる熱帯夜で寝苦しくて、夜中過ぎてもなんとなく寝てるんだか、起きてるんだかわからない感じだったんだ。
時計は見てないけど、感覚として夜中の3時すぎくらいな気がした。
ふと部屋のドアが開いたような気がして、すっと意識が戻った。
半分以上寝てる状態で、身体も動かせないし目も開けられないんだけど、なんとなくドアのところに壮年(31歳から44歳くらい)の男の気配がして、部屋の中をじっと見てる感じがした。
同居の家族はいるけどそんな年頃の人はいないし、真夜中に離れの部屋に来ることなんて今までなかった。
家族だったとしても声をかけないのも変だし。
寝る前に霊体験の恐怖漫画読んでたこともあって、『怖えーよ、なんだよ、消えろよ』ってずっと念じてた。
そうこうしてるうちに「すーっ」とドアが閉まった感じがあって、気配が遠ざかった。
時間的には30秒くらいだったと思うけど、なんかすごく長く感じた。
『なんだったんだ今のは。怖い漫画読んでたからなんか呼んじゃったのか?自分霊感なんてないはずだぞ、これから見えるようになっちゃったらどうすんだよ』と思いつつも睡魔に負けて寝ちまった。
で、翌朝。
夜勤から帰った弟がトイレの窓ガラスがないことに気づいて大騒ぎ。
離れのそこここに足跡が残ってて、昨夜の気配が空き巣だったことが判明。
被害は何もなかったけど、ある意味幽霊よりも怖い体験だった。