英上院は24日、両親と女性ドナーの3人の遺伝子を子どもが受け継ぐ体外受精技術を認める法案を可決した。
同法案は今月初めに下院でも可決されており、英国が同技術を合法化した最初の国となる。
この技術は、受精の過程でミトコンドリアのDNAを入れ替え、心臓や肝臓疾患、脳や視力障害、筋ジストロフィーなど遺伝性の疾患をもたらすDNAを排除するもの。
現在、英国と米国で研究段階にあるが、専門家らは法的障害がなくなったことで、2016年にも初の子どもが誕生する可能性があるとしている。
世界で誕生する子どもの6000人に1人が遺伝子に問題を抱えているとされ、法案可決によって、ミトコンドリアに問題がある母親も健康な子どもを産めるようになると賞賛する声がある。
その一方、この技術が子どもを生物実験にさらすことになり、「人類の生殖細胞系を永遠に変えてしまう歴史的過ち」との反論も根強い。