その教科書を持ってる人いますか?

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

高校の時の英語のリーダーの授業で使ってた教科書は、後味悪い話ばっかりだったな。

印象に残ってるのが『ベースボール』(タイトル間違ってるかも)と『ピアノレッスン』。

『ベースボール』は、ある所に少年野球チームに所属していた当時小学生くらいの主人公がいて、彼は人一倍真面目に練習しているんだけど、どうも野球のセンスがなくて万年補欠だった。

ところがある試合の日、レギュラーの子数名がゲームセンターかどこかで遊んでいて、試合開始時刻になっても集合してこない。

監督は怒って「あいつらはもう試合に出さない」みたいなことを言って、万年補欠だった主人公の彼がやっと日の目を見ることになった。

彼はものすごく喜んでライトのポジションに走っていった。
ところがその直後、レギュラーの子たちが遅刻してやってきた。
そして、信じられないことにライトの彼をベンチに戻し、遅刻のレギュラーを試合に出したのだ。

この話の最後の一文が印象的だった。

『それ以来僕は野球をすることは二度となかった』

もう一つの『ピアノレッスン』もかなり後味悪かったよ。

あるところにピアノを習っている小学生?の少女がいるんだけど、当初は女性教師に自宅に来てもらってレッスンを受けていたわけです。

ところが女性教師が辞めてしまったので、やむなく教師を代える羽目になった。

新しく家に来てくれた先生は中年の男性教師だった。
彼もとても優しい先生で、少女はすぐに彼を信用し、レッスンに励む日々を過ごした。

しかしある日突然、少女の母が彼女に言いにくそうに話し始めた。

「ピアノの先生を代えたらどうかしら?」

思いもかけない母の言葉に、少女は何故急にそんなことを言い出すのか?と問いただした。

すると母が言うには、先生は先日奥さんを亡くし、あなた(少女)も大人になりつつある年頃、母としては先生と娘を二人っきりにするのは心配だ、という内容だった。

少女は唖然とし、またそんないやらしい想像をする母に嫌悪感を抱き、また、自分が心底信頼している大好きな先生を汚された気がして、泣きながら部屋を出て行く。

そして数日後、レッスンの日がやってくる。
いつものようにレッスンは進み、少女が上手に課題曲を弾き終わった時だった。

先生は「よくやった!うまかったよ」と少女の肩を軽くぽんぽんと叩いた。
その瞬間、少女の体に衝撃が走った。

ふと母の言葉を思い出し、震えた。
そしてその場にいれなくなり飛び出してしまった。

涙を堪えながらしばらく走り続け、りんごの木の下まで来て崩れるように倒れ込んだ。

「先生はとても優しい良い人。でも私の肩に触った。母が言うように・・・」

この話も最後の一文が印象的でした。

『私は赤ん坊のようにわんわんと泣き続けた』

勘違い少女?と、高校生時分いまいち腑に落ちない思いをしたな。

どっちの話もなんとなく後味悪くていまだに憶えている。
この教科書使ってた人他にいませんか?

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