夫も姑の犠牲者だった

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

少し前、家庭板まとめで読んだ「オレンジ色のランドセル」が個人的に後味悪かった。

報告者(主婦)の一人娘の入学祝いに姑がオレンジ色のランドセルをプレゼントすると言い出した。
この姑、何でも気前よくプレゼントをくれるのはいいが、自称・都会派で周りの人が選ばないようなものや変わったものを本人の趣味や希望を無視してごり押ししてくるため、ありがた迷惑以外の何者でもなかった。

本当の都会派は他人の希望を尊重する。
内容が違うだけで勝手に何でも押しつけてくる典型的な田舎の婆さんなのだが、本人はセンスある都会派セレブ気取りでまったく聞く耳なし。

田舎でオレンジ色のランドセルなんて持とうものなら悪目立ちしてしょうがない上に娘も引っ込み思案なタイプで人と違ったものなんて絶対にいやだと本気で拒否。
どんなに説明しても姑には話が通じないため、報告者は先手必勝で先に娘が欲しがっている赤いランドセルを買ってしまうことにした。

自分の選んだ赤いランドセルをさっそく担いで嬉しそうな娘。
しかし翌日、娘が目を覚ますとランドセルはなく、父親(報告者の夫)が「このランドセルあるからいいだろう」と祖母が買っておいたオレンジ色のランドセルを渡す。

夫は母に逆らい切れずに娘の赤ランドセルを捨て、どうしてもオレンジランドセルを受け取らざるをえない状況に追い込んだのだった。

それが起きたのは入学式の前日。
新しいものを買い直そうにも既にどこにも在庫はない。
捜し回ってどうにか式までに赤ランドセルをゲットしてきたが、報告者の夫と姑への不信感は爆発し、娘に至っては父の顔を見ると泣き出すほどまでに傷ついたようだった。

その後はスレ住人の助言も受けてビジネスホテル→実家に逃げ、無事離婚になる。
最後に夫自身、子供時代からずっと自称・都会派の母に振り回され、自分の気持ちを踏み躙られてきた事が判明する。

習い事も服もみんな母親のごり押しで決められ、本人の希望は全て否定。
目が弱く、ちかちかするテレビ画面が苦手でゆっくり本を読むのが好きなのに「流行っていてここいらじゃ持っている子はいない」からと、プレゼントはファミコンで使わずにいると「もったいない」とどんなに辛さを訴えてもこれまた無理やりファミコンで遊ぶことを強要されていた。

娘のランドセルを平気で捨てられたのも娘を可愛く思っている反面、「自分は子供時代なんの希望も親に聞いてもらえなかったのに、こいつは何でもわがままを聞いてもらっているんだ」と親への怒りを娘に転化していたところもあった。(わがままと言っても誕生日やクリスマスのプレゼントを希望どおりにするくらい)

別れる最後の日、報告者は中古だけど・・・と、昔から夫が読みたがっていた漫画をはなむけに渡す。

夫はぽつりと呟いた。
「そうか、もういい大人なんだし自分で買えば良かったんだよな」

夫は確かに駄目な奴だけど、ある意味親の犠牲者でもあって気の毒だった。
母親(姑)さえいなければ平穏に妻子と暮らしてたかもなと思うとやるせない。

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