大好きだった爺ちゃんの死に目に会えなかった

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

俺、めちゃくちゃ婆ちゃん子だったんだ。
大好きで大好きで婆ちゃんちは毎年夏と冬休みは行ってた。

爺ちゃんはアタマが相当よく、元軍人のエラい人で、でも戦争は嫌ってて優しくて、中国人とも未だにやりとりしたりして俺は尊敬していた。

でも父と母が離婚してからは行けなくなって、両方好きなのに板挟みで悪口きかされるのがイヤでたまらなくて、虐待されてたし、かなり荒んでて電話もしなくなった。

大学に入って、海外に留学してたのもあって手紙や年賀状は出してたけど、電話はたま~にだった。
父方の祖父母だし虐待から助けてくれなかったくせにとか恨みも少しあった。

大好きだけど、そういう気持ちもあり、はがゆくて、何年も会わないうちに何話していいかすらわからなくなってた。

面倒くさくてみんな早く死ねとすら思ってた。
会いたい、会えない、寂しい・・・言えない。
まるでポエマーな日々が七年。

俺は病んでいた。

婆ちゃんに電話するも、爺ちゃんは会わないうちに耳が遠くなりボケていて電話に出られない。
毎回、「じゃぁ爺ちゃんによろしくね」と言い、年賀状や旅行のたびに手紙を書いた。

八年目、なんだかプッツンきて無性に爺ちゃんに会いたくなった。
サプライズで行った。

爺ちゃん死んでたよ・・・五年も前に・・・。
戦争で中毒症状みてるからモルヒネ打たずに、かなりの激痛も痛いと一言も言わず、
「わしは軍人だ」、と痛いとも恨み言も言わず、ただ死ぬ前に勉学に励む俺には言うなと残し逝ったと・・・。

てか葬式よべよ婆ちゃん!
んな遺言守るなよ律儀すぎだろ!

涙ながらに土下座されたよ。
後味ワルイわー。

ちなみに母親も死んだこと知らない。

やっぱり心霊や幽霊より人間の心ってのが一番オカルトだわ。

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