悲しい顔をつくることに精一杯だった

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

黒い過去かぁ。
同居していた父を見殺しにした事くらいかなぁ。

父は晩年アル中になり暴れはしないものの、1日中飲んで灯油ストーブの目の前で寝てたり、ガスコンロを付けっぱなしだったり、寝タバコしたり・・・。
心底ウンザリしてた。

亡くなる1週間程前に夜中に頭痛がヒドイから病院に連れてってくれって言われたけど断った。

ある日の朝、なんとなく気配がない気がして父の部屋の襖の隙間から覗いたら寝てたから気にしなかった。

1日出かけて夕方帰ってきてやはり気配がないのが気になって覗いたらやはり寝てた。

おかしい?とは思ったけど、見て見ぬふりをして誰にも言わなかった。

それから数時間後、早朝から出かけていた母が帰ってきた時に、私も夕方帰ってきてご飯作ったり子供寝かせたりとバタバタしてたから気づかなかったけど、そう言えば気配がない。
寝てるんだろうけど、気配がなさすぎる。
何やら嫌な予感がするから確認してくれと伝えた。

母が確認しに行ったらすでに冷たくなってた。

ドラマのように青白くなってるわけでもなく、本当にただ寝てるだけのように見えたから母も触ってみるまでは寝てるだけでしょ?なんて言ってた。

母や旦那には上記のように言ったっけど、本当は夕方の時点で死んでるんだろうな?とはぼんやり思ってた。

当時はホッとした思いが強く、悲しいとは微塵も思わなかった。

葬式中は悲しそうな顔をする事に努めつつ打合せからお金の管理、式の取り纏め、お金の管理等全てを請け負った。

今でも、悲しいとは思わないけど、アル中とは言えどもなぜもっと優しくできなかったのか、火の不始末さえなければ静かで害のない人だった。

当時は私もまだ幼い子供二人の世話で精一杯で朝から酒を飲む姿すら見たくなかったのだけど、それは言い訳なのではないか、もっと優しくしてあげる事もできたのではないか、と10年以上経つ今でもたまに罪悪感に押しつぶされそうになる。

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